第1話 「理解した」

時の国・リースプル 虹の月…-。

まぶしい日差しが照りつけ、影をさしかける木々の下では人々が息を吐いている…-。

ゼロ王子を目覚めさせたお礼に……と私は時の国リースプルに招かれていた。

(確かお城はこっちだよね)

地図を手に、きょろきょろと辺りを見回していると、

??「持つ」

突然後ろからしなやかな腕が伸び、私が手にしていた荷物を奪う。

〇〇「……!?」

ゼロ「よく来てくれた」

驚いて後ろを振り返ると、にっこりと笑っているゼロさんの姿があった。

〇〇「ゼロさん……!」

ゼロ「驚かせてしまったか? すまない。 迎えに来た。城まで案内する」

彼はこの日差しの下、きちんとスーツを着込んでいるのに、汗ひとつかいていない。

(暑くないのかな?)

驚いて彼の背中を見つめていると、ゼロさんはこちらを振り返り、まじまじと私を見つめた。

〇〇「……?」

戸惑いに瞬きを繰り返しても、ゼロさんは私を見つめ続けている。

ゼロ「……理解した」

〇〇「え?」

ゼロ「身長、服装、歩き方……。 君は、控えめな女性なのだな」

眼鏡の淵に手を当てて、彼はかすかに口の端をあげる。

満足そうな彼を、ただ見つめることしかできなかった…-。

第2話>>



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