宝石の国・マリングラス…-。
数日前、とあるパーティの招待状を受け取った私は、同じく招待状を受け取ったトルマリに誘われ、彼の部屋で衣装合わせをしていた。
(かわいいリボン……)
招待状に同封されていた蝶のリボンを、窓辺から差し込む光にかざす。
(パーティ当日は、これをつけていくんだよね)
(うーん。ドレス、どういうふうに合わせよう…-)
トルマリ「ねえ、〇〇! どっちがいいと思う?」
コーディネートに頭を悩ませる私の前で、トルマリはピンクのかわいらしいドレスと、黄色いミニスカートのドレスを交互に体にあてる。
〇〇「どっちもトルマリに似合うと思うよ」
トルマリ「本当? ふふ、ありがとう! だけどせっかくなら、ティアラに合う方がいいよね。うーん、どっちにしよう……」
(ティアラ……)
招待状には、代々夢王族のみが所有するティアラを、特別にもう一つ作ることになったと書かれていた。
パーティでは、そのティアラにふさわしい人物を選び、贈呈をするらしく……
招待状が届いた日から、トルマリの頭の中はティアラのことでいっぱいになっている。
トルマリ「ほしいな~ティアラ。アレンジしてリボンと一緒につけると絶対にかわいいと思うんだ」
(トルマリがティアラをつけたら……)
ふと、その姿を想像してみる。
〇〇「うん、すごく似合いそう……!」
トルマリ「ふふ、ありがとう。〇〇も、きっとすごく似合うと思うな。 あっ……でもティアラは一つだから、ぼく達ライバルになっちゃうね……!」
少しだけ真剣な面持ちでそう言った後、トルマリは笑顔で私の方へと向き直り……
トルマリ「今回限りは正々堂々と勝負だからね、〇〇!」
無邪気にはしゃぐトルマリの姿に、いつの間にか私も笑顔を浮かべていたのだった…-。