第2話 動物達の森

深緑の葉が不気味に揺れたかと思うと、一匹の狼が悠然と姿を現した…-。

〇〇「!?」

プリトヴェン「静かに……大丈夫、君のことは俺が絶対に守るから」

近づく狼から守るように、プリトヴェンさんは私の前に腕を伸ばす。

狼は鋭い瞳で私達を見つめて立ち止まり、一気に緊張が高まった。

プリトヴェン「……? お前…-」

プリトヴェンさんは張り詰めていた空気を緩めた瞬間……

勢いをつけて、狼が彼に飛びかかった。

〇〇「プリトヴェンさん!」

プリトヴェン「わっ!?」

〇〇「!?」

プリトヴェンさんは大きな狼にじゃれつかれて、頬を舐め回されている。

プリトヴェン「そんなに舐めるなって、くすぐったいだろ?」

戸惑いつつも、プリトヴェンさんは狼にされるがままになっていた。

〇〇「プリトヴェンさん、大丈夫なんですか……?」

プリトヴェン「敵意を感じなかったから大丈夫だとは思ってたんだけど……」

狼とじゃれ合う姿の微笑ましさに、私もやっと安心できる。

〇〇「歓迎されてるんでしょうか……?」

プリトヴェン「それなら嬉しいんだけど……ちょっと舐めすぎじゃないかな」

困ったように眉を下げながら、プリトヴェンさんは狼の頭を撫でた。

プリトヴェン「ここは絵本の中だし、命の危険に晒されることはないのかもしれない」

〇〇「そうかもしれませんね」

目を細める彼は、擦り寄る狼の銀色の毛並みを撫でる。

(かわいい)

プリトヴェン「君も触ってみる?」

狼の黒い鼻がぴくりと動き、私へと視線を向ける。

(……少しだけ)

プリトヴェンさんに促されるままそっと触れてみると、狼は私の手を舐めてくれた。

〇〇「! ……かわいいですね」

嬉しくなって笑みがこぼれると、にこやかな笑顔を浮かべた彼と視線がぶつかった。

プリトヴェン「うん、かわいい」

ぽつりと言葉を落とす彼の頬は、ほんのりと色づいている。

プリトヴェン「あっ、今のは狼のことで……いや、君がそうじゃないってことでもなくて…-」

〇〇「だ、大丈夫です。わかってますから」

急に熱を持ってしまった頬を冷まそうとしていると、視線を泳がせる彼の肩に、色鮮やかな小鳥が舞い降りた。

(……楽しいな)

リスやウサギも顔を出して、気づくと私達は愛らしい動物達に囲まれている。

くすぐったくも和やかな森で、私はプリトヴェンさんと過ごす時間を楽しんでいた…-。

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