第1話 収穫祭デート

不思議の国・ワンダーメア マーチブロー 宙の月…-。

仮装した人々が行き交い、いつでも楽しげなこの街がさらなる賑わいを見せている。

この国で行われる収穫祭に招待され、私は虹の国の王子であるリーヤさんとマーチブローを訪れていた。

(リーヤさん、もう来ているかな?)

彼との待ち合わせ場所に向かうと……

リーヤ「ほら、これで……どうだ!」

リーヤさんが水鉄砲を手に地面にしゃがみ込んで、仮装した男の子達と話している。

男の子1「うわー、すっげー! にーちゃんやるじゃん!」

リーヤ「まあな」

男の子2「にーちゃんも一緒に遊ぼうぜ! ヒマそうだし!」

リーヤ「暇じゃねえよ、これからデートだっつーの」

(デート……)

聞こえてきた単語に、私は思わず足を止めてしまう。

男の子1「デートー? 誰とだよ」

リーヤ「それは……」

不意に顔を上げたリーヤさんと視線がぶつかり、小さく胸が跳ねた。

リーヤ「っ……お前、今の聞いて…-」

〇〇「はい……聞こえました」

リーヤ「いやそこは、聞こえなかったフリしとけよ。恥ずかしいだろ」

〇〇「あっ、すみません……」

リーヤ「いや、いいけどよ……事実なわけだし」

そう言って顔を逸らしたリーヤさんの耳は少し赤くなっていて……

彼につられるように、私の頬も熱くなってしまう。

男の子1「なんだよ、ほんとにデートかよー」

男の子2「ねーちゃんが彼女なの?」

〇〇「えっ……」

無邪気な質問に言葉を詰まらせると、リーヤさんが男の子達の肩をぽんと叩く。

リーヤ「ほら、わかったら行ってこい。たくさん菓子もらうんだろ?」

男の子1「そうだった! じゃあな! これありがとう!」

リーヤ「おー。いたずらもほどほどになー」

水鉄砲を掲げて走っていく男の子達を、リーヤさんが笑顔で見送る。

八重歯の覗く横顔を見つめ、私の胸は密かに高鳴るのだった…-。

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