第2話 山盛りの依頼書

サイさん宛に届いたたくさんの依頼を解決するため、私は彼にお手伝いを申し出た。

〇〇「宝石の見立てから、ちょっとした相談事まで……本当にたくさん依頼があるんですね」

サイ「びっくりだよね。まさか本当に依頼が来るなんて、思ってなかったな」

依頼書に目を通しながら、サイさんは穏やかに話してくれる。

〇〇「そうなんですか?」

サイ「うん。僕達に直接依頼って、しづらいんじゃないかなって」

(確かに……王子様に直接お願いするのは、ちょっと恐れ多いかも)

サイ「だから、こんなにもたくさんの反響があって驚いてるんだよ」

サイさんはなおしばらく、不思議そうに考え込んでいたけれど……

サイ「でも、皆がこうして受け入れてくれるのは……ティーガの人徳なのかもね」

やがて納得したように、綺麗な瞳をわずかに細めた。

〇〇「王子様が3人もいて助けてくれるなんて、ありがたいことだと思います」

サイ「そっか。 なら、皆の期待に応えるために、もっといろんな人の話をちゃんと聞かないといけないね」

山のように届いている依頼書を、サイさんは見事な手際で分別し始めた。

あっという間に書類はまとまり、乱雑だった部屋が綺麗になっていく。

サイ「調査が必要そうなものは……ティーガとリドにも振り分けて、手伝ってもらおうかな。 ふふ。『お母さんのおたんじょうびにびっくりさせたい』って……かわいい依頼だね」

(たくさんあるのに、ひとつひとつ丁寧に確認してる)

感心してサイさんを見つめていると、彼は少し恥ずかしそうに微笑んだ。

サイ「……事務的で探偵っぽくないかな」

ふっと、流れるような視線を向けられドキリとしてしまう。

〇〇「いえ。こうして皆の声を王子様が聞いてくれるなんて、素敵なことだと思います」

心からそう言うと、サイさんは嬉しそうに目を細めたのだった…-。

……

サイさんに届いた依頼のうち、街の人のものを解決するために、私達は事務所を後にした。

サイ「〇〇まで付き合わせちゃって、ごめんね」

申し訳なさそうに眉を下げるサイさんに、私は笑いかける。

〇〇「いえ、私にできることがあれば手伝わせてください」

サイ「すごくありがたいよ。正直、僕一人でこの量は無理だなあって困ってたんだ」

(少しでも彼の力になれるように、私も頑張ろう)

サイ「じゃあさっそく、この依頼書を見てくれる?」

サイさんは私の方にそっと身を寄せて、依頼書を見せてくれた。

サイ「依頼といっても……探偵というか、王子へのお願いみたいなものが多いんだけど」

(……そうなっちゃうのは、ちょっとわかる気がする)

サイ「でも、これは探偵としての依頼になるかな」

依頼書に書かれている内容を見て、私は思わず頬を緩めてしまった。

〇〇「微笑ましい依頼ですね」

サイ「僕に解決できるかな……」

サイさんは少し心配そうに、依頼書を見つめていたのだった…-。

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