第1話 機械仕掛けの卵

虹の国・オズ シンヴァ領 陽の月…-。

澄み渡った空の下、穏やかな風が丘を吹き抜けていく。

虹の国・オズは、『オズの魔法使い』と称されるオズワルド王子と、彼によって任命された複数の王子達が、それぞれの領を治めている。

(レオニー、元気かな)

これから始まる未来に思いを馳せるというお祭り、通称『感謝祭』に招待され私はこの国の王子の一人である、レオニーを訪ねていた。

(お城はこの丘を抜けた辺りのはずだけど……)

その時、見覚えのある顔が道の前方から荷車を兵に引かせて近づいてきた。

○○「レオニー!」

レオニー「わあああっ!!」

声をかけると、レオニーは荷車から転げ落ちそうなくらいの勢いで驚いた。

レオニー「あ、アンタか……びっくりさせんなよな!」

(相変わらず、ものすごく怖がり……)

○○「ご、ごめん……でもどうしたの?その両手いっぱいの卵」

見れば彼は、卵が山と盛られた籠を手にしている。

レオニー「ああ、後ろの荷車も全部同じ卵だぞ。 なんでも感謝祭のために虹の国中を飾るとかで、オズワルドから頼まれたんだ。 ほら、山ほどあるだろ?これから広いところに行って色を塗るんだ」

そう言ってレオニーが、私に卵を一個渡してくれる。

○○「楽しそう。でもこれ普通の卵よりもなんだか重いような……」

レオニー「さあ……機械なのかな、仕掛けがあるとかで中は普通の卵じゃないらしいんだ。 けどオレ、色を塗れって言われても絵のセンスとかないし……」

レオニーは荷車に詰まれた卵を見てうな垂れる。

○○「よかったら私も手伝うよ。こんなにいっぱいあったら大変でしょう?」

レオニー「いいのか!?」

ぱっと明るい笑顔に戻って彼が顔を上げる。

その満面の笑顔が、私の心も明るく照らしてくれるようだった…-。

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