第1話 ロトリアの収穫祭

幻惑の国・ロトリア 宙の月…-。

もうすぐ開催される収穫祭に招待された私は、
祭りの主催国であるここ、ロトリアへと久しぶりにやって来ていた。

ロトリアの城下町は、収穫祭に集まった人でいっぱいで、かなりの賑わいを見せていた。

(なんだかワクワクしてきちゃった)

次々に装飾されていく街の様子を見ていると、期待に胸が弾んでくる。

同時に、私はロトリアの王子であるロルフ君のことを思い出していた。

(ロルフ君、元気かな)

優しくてちょっと気弱な王子様の姿を思い浮かべながら、城へ向かうと…-。

ロルフ「……○○ちゃん……」

廊下の向こうから現れたロルフ君は、今にも泣き出しそうな顔で私の元へ歩み寄ってきた。

○○「ロルフ君? どうしたの?」

ロルフ君が服の裾を、小さな両手でキュッと握り締める。

白くてなめらかな頬が、心なしか青ざめて見えた。

ロルフ「……助けてください」

そう言って顔を上げたロルフ君の目元から、大粒の涙がこぼれ落ちた。

○○「な、何があったの?」

ロルフ「実は……」

廊下の窓から差し込む柔らかな日差しが、ロルフ君の涙をまるで宝石のようにキラキラ輝かせた…-。

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