第4話 思いがけない出会い

手つかずの真っ白な雪がどこまでも続いている…ー

ハルに連れられてやって来たのは、美しい雪原だった。

○○「ハル、ここって……」

ハルディーン「綺麗だろ?オレのお気に入りの場所」

(あ……そうだ。雪で印象が違って見えるけれど、あの場所だ)

前にテイシャを訪れた時に、ハルがお気に入りと教えてくれた場所だと思い出す。

○○「……本当に綺麗だね」

冷たいけれど穏やかな風が吹き抜けて、私達の髪を揺らす。

(そういえばハル、よくここでお昼寝をしてたっけ……)

自由気ままな彼の寝顔を思い出して、心が和んだ。

○○「でもハル、これじゃあお昼寝できないね?」

少しからかうように言うと……

ハルディーン「そう思うか?」

ハルはニヤリと笑みを浮かべた。

○○「?」

ハルディーン「そんなの、オレには関係ねーよ」

そう言うや否や、彼は雪に向かって勢いよく飛び込んだ。

○○「!!」

ハルが倒れ込んだ衝撃で、雪が花吹雪のように宙を舞う。

○○「ハル!?」

慌てて駆け寄ると、彼はうつ伏せに倒れ込んだまま動かない。

(え……どうしよう。大丈夫かな……?)

○○「……ハル?」

心配になって声をかけた、その時……

ハルディーン「……くくっ」

肩を震わせて、ハルが笑い出した。

○○「!」

雪まみれになりながら、彼は楽しそうに笑い仰向けになる。

ハルディーン「あはははは!冷たいな!」

(びっくりした……けど)

(ハルらしい、かな)

○○「それはそうだよ……ふふっ」

無邪気に寝ころぶ彼の様子に、私もつられて笑ってしまう。

ハルディーン「シュガー、オマエ笑ってる場合じゃないぞ?」

○○「え?」

ニッと、ハルが不敵に笑ったかと思うと…ー。

ハルディーン「オマエも道連れだ!」

ぐいっと腕を引っ張られて、私はバランスを崩した。

○○「わっ!」

そのまま、ハルの隣へと倒れ込む。

冷たい雪の感触が、一気に私の体中に広がった。

○○「……ハル!」

慌てて体を起こすと、雪まみれのハルと目が合う。

○○「もう、冷たいよ!」

ひんやりと首筋を伝う雪を払いながらも、私は笑っていた。

ハルディーン「じゃあ……もっと冷たくしてやる!!」

雪をかけ合いながら、私達は楽しくて声を上げて笑う。

(ハルと一緒だと、やっぱり楽しいな)

そう思いながら、何気なく手元の雪をすくう。

すると…ー。

○○「あれ?」

雪の下から、ヒイラギに似た見た目の葉っぱが顔を覗かせていた。

○○「葉っぱ……?」

ハルディーン「なんだ?どうした?」

気づいたハルが首を傾げる。

○○「ハル。この葉っぱって……」

ハルディーン「!」

ハルはすっと葉を手に取ると、香りを嗅いだ。

ハルディーン「……これ、茶葉、か?」

○○「え!」

さらに雪を掻き分けてみると、背の低いかわいらしい茶の木がまた一本、姿を現す。

ハルディーン「まさか、ここら一帯に生えてるのか……?」

驚いて顔を近づけると、甘く不思議な香りが漂う。

(紅茶の葉……)

雪解け水で濡れた小さな葉は、きらきらと輝いていた…ー。

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