太陽7話 あの場所へ……

私のお願いを聞いて、ザントさんはしばらく思い悩んでいるようだった。

ザント「・・・・・・」

(やっぱり・・・・・・私、彼の心の傷を抉るようなことを言ってる)

(けど・・・・・・!)

ぎゅっと、手のひらを握りしめた時・・・-。

ザント「・・・・・・わかった。 アンタが連れて行って欲しいっていうなら、案内する。 大地の祠に・・・-」

ゆっくりと伝えられた声には、苦々しい思い出が滲んでいるようだった・・・-。

・・・

・・・・・・

城の裏手に出てからしばらく歩いて連れられてきたのは、物悲しい風の吹く丘だった。

木の傍らに据えられた祠は、すっかり人々から忘れ去られているように見える。

(ここが事故のあった祠)

(ザントさんが、心を閉ざしてしまうきっかけになった場所・・・-)

ザント「・・・・・・」

祠に視線を向ける彼の前髪を、風が揺らす。

私がその場に膝を折って、祈りを捧げようとすると・・・-

ザント「アンタ、結構、酷いやつだな。優しいやつかと思ってたのに。 ここがどういう場所か知っていて、俺に案内させるなんて・・・・・・」

棘のある言葉に怯みそうになるけれど、私は立ち上がり、ザントさんに向き直った。

○○「ザントさん・・・・・・。 あなたの大地の力で、ここをちゃんと安らげる素敵な場所にしてあげてください。 ・・・・・・ご両親も、きっとザントさんのことを心配していらっしゃると思います」

すると、薄青色の瞳が大きく見開かれて・・・-。

ザント「・・・・・・っ」

彼は今気づいたかのように、祠の周りを見渡した。

すっかり荒廃してしまった丘は、事故が起きた当時のまま・・・・・・

所々岩肌が露出しており、当時の事故の様子を色濃く残していた。

ザント「・・・・・・。 俺が目をそらして、遠ざけ続けてきた・・・・・・。 そのせいで、ここは事故が起きた時のまま、時間が止まっていたんだな・・・・・・」

ザントさんは痛々しい記憶に耐えるように、目をつむった・・・-。

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