太陽6話 仕事に私情は持ち込まず

むせ返るような砂ぼこりの中、切羽詰まった男性達の怒声が響き渡る…-。

私は、事故の起きた鉱山で怪我をした人の介抱をしていた。

〇〇「あ……」

少し離れたところに、一人の男性が座り込んでいる。

見れば、その人は足に怪我を負って、動けないようだった。

〇〇「大丈夫ですか!?」

すぐに彼に駆け寄り、肩を貸そうと手を伸ばす。

その時…-。

作業員の声「危ない!!」

空気を切り裂くような声が聞こえたかと思うと、頭上で何かが崩れるような音がした。

〇〇「……!!」

崩れ落ちてくる岩陰が私を飲み込み、思わず固く目をつぶる。

けれど…-。

(え……?)

轟音がしたのに、予想した衝撃はない。

恐る恐る目を開けると、降ってきた岩が、粉々の石ころとなり私達の周りに降り注いでいた。

ウィリアム「……感心しませんね」

ハッと後ろを振り返ると、高枝切りバサミを構えたウィリアムさんの姿があって…-。

ウィリアム「仕事に感情を持ち込むと、余計な手間が増えます」

(ウィリアムさんが、岩を砕いてくれた……?)

〇〇「ウィリアムさん……どうして…-」

彼は私を鋭く見据えると、くいと眼鏡を押し上げた。

ウィリアム「これではまた、今日も定時で上がれない」

わずらわしそうに手袋についた砂を払うウィリアムさんを、私は呆然と見つめていた…-。

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