太陽7話 太陽よりも輝くもの

私がディオンさんの手を引いてやってきたのは、晩餐会の会場だった。

会場には優雅な音楽が流れ、正装した来賓や王族達が整然と座っている。

○○「お待たせして申し訳ございません」

ディオンさんと共に現れた私を見て、会場がざわついた。

ディオン「……○○」

低い声が聞こえ、後ろに立つディオンさんを見上げる。

ディオン「……いくらお前でも、やっていいことと悪いことがある」

怒りをこらえるように唇を噛みしめ、彼は私の手を振り解こうとしたけれど…ー。

○○「待ってください!」

私はもう一度その手を握り直し、晩餐会の出席者の方々に向き直った。

○○「ディオン王子は……私の想い人です」

ディオン「!」

会場内に、どよめきが広がる。

○○「天と地の関係を慮って……セフィル王子のことを誰よりも心配しているのも、ディオン王子です。 突然このようなことをして、申し訳ございません。ですが……どうしても、そのことを知っていただきたかったのです」

会場内を見渡すと、多くの人々は囁きを交わしながら私とディオンさんを見比べていた。

ディオン「○○……」

大勢の視線が集まり、息を呑んだ時…ー。

白い衣装をまとった老齢の男性が立ち上がった。

老齢の男性「セフィルより聞いております。 ご列席いただき感謝申し上げます。そして……私達の無礼をお許しください」

その男性はセフィルさんの遠縁にあたる方で、彼が深く頭を下げると会場に静寂が訪れた。

すると……

ディオン「……もったいなきお言葉です」

静寂を破るように、ディオンさんが一礼をする。

微かに震えるその声からは、彼の喜びが伝わってくるようだった。

(ディオンさん……)

凛々しい眼差しで会場を見渡すディオンさんを、そっと見上げる。

彼は前を向いたまま、しっかりと私の手を握り返した。

老齢の男性「それにしても、トロイメアの姫様は大胆ですね」

男性が、ふわりと柔らかな笑みを浮かべる。

その笑みはあっという間に広がり、私達はいつの間にか温かい眼差しを向けられていた。

(私……言われてみれば、本当に大胆なことを……)

自分の言葉を思い返して頬が熱くなる。

ディオン「ええ。まったくです。 ですが……その心根の美しさは、太陽の光とて敵いません」

ディオンさんの声が、会場内に優しく響く。

すると老齢の男性は、一層笑みを深めて……

老齢の男性「どうぞこちらへ。じきに、セフィルも参ります」

男性の指示により、私が座る席の隣にディオンさんの席が用意される。

私とディオンさんは微笑み合い、手を繋いだまま席へと向かったのだった…ー。

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