太陽5話 魔法の使い道

淡い街灯りが、眼下に広がっている…-。

王子のいる城に向かうため、私達はドロワットさんの箒で街の上空を飛行していた。

〇〇「ドロワットさんは優しいですね。 街の人達のために、王子をこらしめに行くなんて……」

ドロワットさんの背中に向かって、そう話しかけると……

ドロワット「街の奴らのため? 勘違いするなよ、〇〇。 俺は街の連中に同情したから王子を倒しに行くわけじゃねぇ。ただ、気に入らねぇだけだ」

〇〇「気に入らない?」

ドロワット「ああ。あのカボチャの馬車には、魔法がかかってた。 つまり、この国の王子は魔法を使って悪さしてるってことだ。 俺は、魔法使いの王子だからな。魔法を悪事に使う奴には、キツいお灸を据えてやらねぇと」

ドロワットさんは私を振り向き、口の端を上げて笑ってみせた。

(だけど、街の人達のことだってちゃんと気にかけてるんだろうな……)

そう考えると、思わず頬が緩んでしまう。

〇〇「やっぱり、ドロワットさんは優しいと思います」

ドロワット「なんだよ……まあ、お前がそう言うなら否定はしねぇけどよ」

そうつぶやくドロワットさんの声は、どこか照れくさそうな響きを帯びていたのだった…-。

……

城が近づくにつれ、大勢の兵士が私達を待ち構えている様子が見えてくる。

ドロワット「なかなか盛大なお出迎えじゃねぇか」

ドロワットさんは眼下を一瞥し、箒を握り直した。

ドロワット「〇〇、しっかり掴まってろよ!」

その言葉が聞こえた瞬間、箒は城のバルコニーに向けて急降下したのだった…-。

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