太陽SS 彼の本音

静寂を歓迎するような夜の闇の中で、星々がきらきらと輝いている…-。

手を伸ばせば輝きそうなその光を見つめながら、私はスネークさんのことを思っていた。

―――――

スネーク『やってみてもいい。 って、ダンが言ってる』

―――――

国王様から直々に毒薬研究の協力を頼まれた時は、戸惑うように言葉を濁していたけれど……

(スネークさんが、研究に力を貸してくれるって言ってくれてよかった……)

(スネークさんなら、きっと大丈夫)

私とスネークさんは、さっそく明日研究所へ行くことになっている。

(わくわく……というより、そわそわする)

一度はベッドに入ったけれど、目が冴えてしまい、私は中庭へと足を運んでいたのだった。

(私が緊張しても仕方がないけど……)

ベンチに腰かけると、背後の草むらがガサリと揺れる。

(何……!?)

心細くなり、私はスカートをぎゅっと握る。

恐る恐る振り返ると、月明かりに伸びた人影が城の裏の方へと移動していくのが見えた。

(こんな時間に、誰だろう)

(もしかして、また対立国が……!?)

先ほど起きた騒ぎを思い出し、心がざわめく。

(どうしよう、スネークさんを呼びに行こうかな?)

(でも、見失ってしまったらいけないし。それに……)

―――――

スネーク『俺達が、本当にこの国の役に立てるのか……? って、オスカーが言ってる』

―――――

不意に、スネークさんの顔が頭をよぎる。

(明日のことで、きっと落ち着かない気持ちでいるよね)

(スネークさんを困らせたくないし……)

心細く感じながらも、私はその人影を一人で追うことにした…-。

……

城の裏手に向かうと、暗闇に人が一人うずくまっている。

(……誰?)

近づこうとする前に、気配に気づかれ振り向かれた。

??「誰だっ!」

(気づかれた……!?)

??「って、オスカーが言ってる」

(え……)

知った口調に、緊張が一気に解けていく。

(もしかして……)

〇〇「スネークさんですか!?」

スネーク「あら、〇〇なのね。 って、エミリーが言ってる」

スネークさんの手には、なぜか先ほどの宴で振る舞われたご馳走があった。

〇〇「あの……何をしているんですか?」

スネーク「……今日のご飯がおいしかったから、皆に分けてあげてるんだ。 って、ダンが言ってる」

(なるほど……)

(自分が嬉しかったことは、蛇達にもしてあげたいんだ)

(スネークさんって、優しいな)

隣に座ると、彼の肩にいる蛇と目が合った。

つぶらな瞳とペロリと舌を出した姿がかわいくて、思わず笑みをこぼれる。

〇〇「大切なお友達なんですね」

スネーク「あ、当たり前だ! って、ワイルドが言ってる」

はっきりと言い切ったことから、彼らの絆の強さを感じた。

(スネークさんは、他に心を許せる相手っているのかな?)

ふと、容姿を気にして顔を隠すようにして歩いていた彼を思い出す。

(ご両親やご兄弟は……)

〇〇「スネークさんの……ご家族は?」

スネーク「……」

スネークさんは返事に困ったように、口を閉ざしてしまった。

(聞いてはいけないことだったかな……)

夜の静けさが、沈黙をより長く感じさせる。

スネーク「……探してる。 って、オスカーが言ってる」

〇〇「えっ……」

スネーク「オレを、仲間だって、家族だって呼んでくれた奴らを……探してるんだ。 って、オスカーが言ってる」

(探している……)

憂いを帯びたその横顔は彼の心の中を表しているようで、私はそれ以上何も聞けなかった。

スネーク「ひとりは……寂しい」

(え……)

言葉の後に、蛇達の名前がつぶやかれない…-。

(これは、スネークさん自身の言葉……?)

夜風が私達の間を吹き抜ける。

小さく体を丸めて寒さに耐える彼は、どこか心細そうで…-。

〇〇「……」

気持ちが動くままに、私は彼にそっと体を寄せる。

スネーク「!」

わずかに触れ合う部分から、彼の体温が伝わってくる。

(少しでも彼の心が温まりますように……)

スネーク「……っ」

私は星空に、そんな願いを託した…-。

おわり。

<<太陽最終話||月覚醒へ>>



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