太陽7話 彼から見た私

鮮やかな街の中、賑やかな声があちこちから聞こえてくる…-。

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ウィル『今回の作品は、君の色を混ぜてみたかったんだ』

〇〇『私の色……?』

ウィル『なんせ……僕は、君の表情が大好きだからね』

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私の反応を予想していたのか、ウィルさんはふわりと優しく微笑む。

太陽の光に照らされ、彼の特徴的な眼鏡の装飾が艶やかに輝いた。

ウィル「そう。君は……君自身の色ってどんな色だと思う?」

〇〇「私自身の色ですか? えっと……」

(どんな色なんだろう?)

思いがけない質問に、私はあれこれ自分のことを考える。

(赤? それとも青……?)

どの色を思い浮かべてみてもピンとこず、返答に困ってしまう。

ウィル「難しい?」

〇〇「はい……」

ウィル「なら……僕が見た、君の色を教えてあげようか?」

(ウィルさんが、私の色を?)

どくんと、心臓が一つ打ち鳴る。

(ウィルさんから見た、私の色……)

〇〇「知りたいです」

ウィルさんの瞳に、私がどう映っているのか、それを知ることができると思うと、期待に胸が膨らんでいった。

……

それから、私達は染料の材料を見に街の市場へと向かった。

賑やかな大通りとは少し雰囲気が変わり、職人さんらしき人達が店先の鉱石や花などを眺めている。

ウィル「これはなんだろう? 紫にも見えるけど、染めてみたら変わるのかな?」

ウィルさんが石を手に取り、空にかざした。

陽の光を浴びて、石はウィルさんの端正な顔に薄紫の影を落とす。

ウィル「ああ……君にもある色だね」

〇〇「この色が、私にも……?」

自分をあちこち見まわしてみても、わかるわけもなく……

(どんな色で表現してくれるんだろう?)

期待を込めてウィルさんを見つめると、彼は、耐えられないとでもいうように笑い出した。

ウィル「そんなに期待されると、僕も緊張するなぁ」

〇〇「ウィルさんでも緊張することがあるんですか?」

驚きのあまり思わず聞いてしまうと、ウィルさんは噴き出して笑い始めた。

ウィル「僕だって、緊張ぐらいはするよ。 万人が僕の作品を支持してくれるわけじゃないからね。 でも、僕は自分がいいと思ったものを最高の形で表現したいんだ。 だから、君も自分の感性を信じて」

ウィルさんが私の背中をそっと優しく叩く。

大きく温かな手が、私に自信を与えてくれるような気がした。

(私の感性……か……)

ウィル「でも、まあ…-」

頭の後ろを掻きながら、ウィルさんが苦笑交じりに息を吐く。

〇〇「?」

ウィル「……こう思っちゃうよねえ。 君の前では完璧なウィル・ビートンでいたい……ってね」

瞳に恥ずかしさをにじませて、ウィルさんが鉱石へと視線を落とす。

つぶやかれた言葉が、私の胸の奥を甘くくすぐった…-。

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