スペルヴィア「モデル本人にも、一着ずつ服を選ばせるわ! テーマは星で、あとは自由。楽しそうじゃない?」
スペルヴィアさんの笑顔に、私は深く頷く。
〇〇「はい、素敵だと思います!」
スペルヴィア「星って言われて浮かべるイメージは人それぞれだろうし……。 個性のある星が集まって、一つの星空になる……楽しそうでしょ?」
心躍る様子でそう言ったスペルヴィアさんの表情が、わずかに曇る。
スペルヴィア「でも……ワタシの服はどうしようかしら?」
〇〇「スペルヴィアさんの服、ですか?」
スペルヴィア「ワタシが選んだら、ただ完璧すぎるだけだし」
漆黒の髪を手でさらりと梳くその姿は、スペルヴィアさんだから様になる。
(そっか、じゃあ他の誰かに選んでもらうとか……?)
スペルヴィア「そうだ、アンタに選んでもらおうかしら」
〇〇「え!?」
スペルヴィア「決まり」
〇〇「あの、でも私じゃ…―」
スペルヴィアさんは私の肩を抱き、ガラス張りのショップを指さす。
スペルヴィア「アンタに選んでほしいの」
〇〇「……」
スペルヴィア「なんだか、楽しくなってきた」
すぐ傍でにこりと微笑む彼に、私は何も言えず……
私達は、たくさんの服や小物が並ぶ華やかな店に足を踏み入れた…-。