木漏れ日の中を、ミヤと並んで足早に歩く。
城の近くまでたどり着いた時、ミヤが不意に立ち止まり口を開いた。
ミヤ「ありがとね、◯◯ちゃん」
◯◯「え……?」
顔を見ると、ミヤは照れくさそうに微笑んだ。
ミヤ「◯◯ちゃんといるとさ。 つい素のオレが出ちゃうんだよね」
(ミヤ……)
その言葉に胸が微かに音を立て、そっと深呼吸をする。
ミヤ「どうしたの? さっきの怖かった?」
◯◯「ううん……! なんでもないよ」
ミヤ「そっか」
そう言うとミヤは一瞬目を閉じた。
ミヤ「オレ、もう自分を誤魔化したりしないよ。 頑張ってみるから」
力強くそう言うミヤの太陽のような笑顔に、抑えようとした鼓動がまた高鳴り出したのだった…ー。