〇〇「だめ!」
私は慌てて落ちていく筆へと手を伸ばした。
(あれはメディさんの大切なもの……!)
筆が裂け目のすぐそばに転がり落ちる。
(今ならまだ間に合う……!)
必死に手を伸ばして、筆に触れる。
けれどそれを邪魔するように、また地面が大きく揺れた。
〇〇「っ……!」
筆が指先から離れた。
〇〇「だめ、落ちないで!」
なおも手を伸ばして、指先で筆を掴んだその時…-。
メディ「〇〇!」
メディさんに抱きかかえられ、私達は後ろへ倒れ込んだ。
メディ「キミは一体……」
〇〇「すみません。でも、筆は大丈夫ですよ!」
振り返り、メディさんに筆を見せる。
けれど、彼の表情からは笑顔が消えていった…-。