太陽SS 恋人達の濃密な時間

急遽開催したお茶会で、招待客達に可愛い恋人を紹介した後・・・・ー。

(残念ながら、今回のお茶会は失敗でしたね)

マッドハッター「本当は退屈で退屈で堪らなかった、もちろん君を自慢する優越感はありましたが・・・・ー」

○○「・・・・?」

(おや、わかってもらえないでしょうか?)

不思議そうな顔をする最愛の恋人の唇に、そっと手にしたマカロンを運ぶ。

マッドハッター「だってそうでしょう? 本当は早く君と二人きりになりたかったのに・・・・」

○○「・・・・お茶会を開くと言ったのは帽子屋さんですよ?」

(その通りです! ですがそれは間違いでした)

(だって私は紳士ですから。人前で君を愛でるなど、許されません)

私は○○嬢を見つめ、ゆっくりと口を開く。

マッドハッター「はい。だって、こんなに可愛らしいお嬢さんが私と交際してくださると言うんですから。 しかしたった数時間ですら、君を独り占めできないことがこんなにも辛いなんて・・・・」

そう言いながらも私は、どこか愉快な感覚を覚えていた。

(この気持ち・・・・もうずっと忘れていた、甘い砂糖菓子のような感慨です)

ため息を吐きながら、私は○○嬢の唇を指先でなぞる。

(君は・・・・そう思わなかったのでしょうか?)

(辛いと思っていたのは、私だけ・・・・?)

マッドハッター「○○嬢、よければこれから、私と二人っきりのお茶会はいかが?」

いつもと変わらない様子の彼女に、ほんの少しの不安と期待を抱きながら問いかける。

すると・・・・

○○「・・・・はい、あまりお話できませんでしたから」

(○○嬢・・・・)

期待以上の答えに、自分でも驚くぐらい気持ちが高ぶった私は、そのまま、彼女をテーブルの上に押し倒す。

○○「ぼ・・・・帽子屋さん?」

こぼれそうになる紅茶や頬を赤らめる○○嬢に構うことなく、

私は彼女の愛らしい唇にスミレの砂糖菓子を運ぶ。

そして・・・・

マッドハッター「おいしそうに召し上がるのですね・・・・私にも一ついただけませんか?」

○○「えっと・・・・どうぞ?」

私がねだるように言うと、○○嬢は私の口元に砂糖菓子を運んでくれる。

(残念ですが・・・・それでは少々味気ない)

(今日はずっと、退屈なお茶会を我慢していたのですから・・・・ー)

マッドハッター「そうではありません、こちらの菓子の方が甘そうだ・・・・」

○○「え? っ!」

私は砂糖菓子を持つ彼女の手を、テーブルの上に縫いとめると・・・・

微かにスミレの香りがする艷やかな唇を欲望のままに奪った。

○○「・・・・っ」

口づけは甘く、花の蜜のような味がする。

(・・・・なんて、可愛らしいのでしょう)

甘い蜜に引き寄せられるように・・・・

小さく声を上げる彼女に誘われるように、私は口づけを深くした。

○○「っ、帽子屋・・・・さんっ、だ、駄目です!」

私の胸元を、○○嬢が叩く。

しかし、その瞳は熱く潤んでいて・・・・

(君こそ、駄目ですよ)

(そんな表情を男に見せては・・・・)

マッドハッター「君があまりに可愛らしいから。この人が私の恋人かと思うと、我慢がきかなくて・・・・」

私がそう言って微笑むと、○○嬢は少し不服そうな表情を浮かべた。

(おや、怒らせてしまいましたか?それはいけませんね)

マッドハッター「すみません、少しイタズラが過ぎました、でもドキドキしたでしょう?」

彼女の耳元で、そっと謝罪の言葉を囁き・・・・

マッドハッター「これからも奇妙でおかしなこの世界で、君という不思議を楽しませてくれませんか?」

愛おしさを込めながら、柔らかな頬を撫でる。

すると○○嬢は、考え込むような表情を見せた後・・・・

○○「はい、私の・・・・帽子屋さん」

控えめな声で極上の答えをくれる彼女に、私は再び口づけを落とす。

それは今まで以上に甘く、このまま溶け合ってしまいそうなほど濃厚で・・・・

(この甘さも、熱も、その表情も・・・・)

(全部・・・・私だけのもの)

(このような感情は、本当にいつ以来でしょうか)

(それとも・・・・これはまだ体験したことのない不思議そのもの、なのでしょうかね)

自らに訪れた変化に得も言われぬ心地よさを覚えながら、彼女の体を掻き抱く。

すると、それに応えるように○○嬢も私の体へと腕を回し・・・・

マッドハッター「暑い夏も、凍えるような冬も、それ以外の季節も。 ずっとずっと、私の傍で・・・・」

息つぎの合間につぶやいた言葉に、○○嬢が小さく頷く。

恋人同士の、濃密な時間・・・・

私はまだ見ぬ表情を求め、ゆっくりと彼女の体に手を滑らせていったのだった・・・・ー。

おわり。

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