太陽5話 灯台下暗しでした!

床に落ちたメモを、クロノさんが拾い上げる。

クロノ「えぇと、なになに、時計はいつもの箱の中……。 えぇっ!?」

○○「……っ!」

クロノさんは自分で驚いて声を上げ、私達は二人で顔を見合わせる。

○○「いったい、何が……?」

クロノ「私……私、うっかり者なので。 このメモ、忘れないように自分で書いたんでした…… !

クロノさんは、気恥ずかしそうに私から視線を逸らす。

○○「そういえば私達、この部屋、まだ探してなかったですよね?」

クロノ「は、はい。時計は部屋から持ち出したものとばかり思ってましたので」

見合わせたまま、鏡写しに同じ方向に首を傾げる。

クロノ「き……きっと、ユメクイに襲われたショックで記憶があやふやに!」

腕を組んで、右に左にと何度も首を傾げてみせるクロノさん。

その様子に、私は自然に笑ってしまった。

クロノ「怒らないのですか……? さんざん貴方を付き合わせてしまったのに」

耳を怯えるように垂らすクロノさんが、なんだかかわいくて……

○○「怒るだなんて……手がかりが見つかって、本当によかったです」

クロノ「○○さん……」

○○「とにかく、その宝箱を確認してみましょう」

クロノ「はいっ!」

クロノさんがクローゼットから宝箱の中に、案の定、時計は大切そうにしまってあった。

クロノ「ありました……! 見つけることができました!」

○○「よかったです!」

二人で宝箱を覗き込んで、歓声を上げる。

灯台下暗しと笑い合って、冒険の終わりを迎えたと思ったら…ー。

○○「……っ! ?」

クロノさんが、突然に私を掻き抱いた。

○○「ク……クロノさんっ! ?」

クロノ「本当に見つかってよかった! ありがとうございます。 貴方のおかげです! 本当になんてお礼を言ったらいいんでしょう!!」

彼の胸に顔を埋めると、心地よい陽の匂いが鼻をくすぐった…ー。

その夜…ー。

クロノ「今日は、もう遅くなってしまいましたが、明日是非、お礼をさせてください」

○○「お礼だなんて……でも」

(クロノさんと、もう少し一緒にいたい)

胸にほのかに宿った気持ちを伝えたくて、私ははいと返事をした。

クロノ「よかったです」

私の返事を聞いたクロノさんの満面の笑顔に、胸が高鳴る。

クロノ「明日、楽しみにしています」

頬が熱を帯びることを悟られないように、私はうつむくように頷いた…ー。

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