太陽SS 限りない未来へ

雲一つない澄んだ夜空に、一番星が輝き始めた…-。

外交を終えたオレは、自室のソファに身を沈めていた。

(今日も上手く話をまとめられてよかった)

記録の結び手の会議以来、オレの元には外交の仕事がたくさん舞い込んでいる。

(皆がオレを頼りにしてくれるのは、すごく嬉しい。外交はまだ慣れないけど、やりがいがある)

ふと窓辺に視線を向けると、月の淡い光が差し込んでいた。

その優しい色が、〇〇ちゃんの笑顔を思い出させる。

(忙しくて全然会えてないな……)

(……よし、明日の仕事もできる分は今日やっちゃおう)

ソファから立ち上がり、書類が積まれた机に向かう。

その日、オレは寝ぼけまなこをこすりながら、夜遅くまで書類と向き合った…-。

……

翌日…-。

早めに仕事を終えたオレは、石板の間に〇〇ちゃんを呼び出した。

(数日ぶりのはずなのに、もっと長い間会えてなかったみたいだ……)

ルグランジュ「せっかく君がこの国にいるのに、なかなか会えなくてごめんね。 ようやく時間を作れたから、君と一緒に過ごしたいなと思って」

想い焦がれていた人の姿を目の前にして、胸が大きく音を立てる。

会議の成功を喜んでくれた彼女に、オレは改めて王子としての決意を語った。

そして…-。

ルグランジュ「……ここまでは王子としての言葉。 ここからは一人の男として、君に伝えたいことがあるんだ」

(さすがに緊張するな。議長の時と同じくらい……ううん、それ以上かもしれない)

(でも、今のオレなら ちゃんと伝えられると思う)

ルグランジュ「〇〇ちゃん」

オレは想いを込めて、愛しい人の名前を呼ぶ。

そして、かわいらしい手を両手で包むと自分の方へと引き寄せ…-。

ルグランジュ「王子として、国の明るい未来を約束するって言ったけど……。 オレは、君との明るい未来も約束したい」

〇〇「私との……?」

〇〇ちゃんの澄んだ瞳が、驚いたように見開かれた。

(君には思いがけない話かもしれないけど……オレは違うんだ)

(オレは、ずっと心のどこかで君との未来を考えてきたんだよ)

この気持ちが伝わるように、オレは彼女へ視線をまっすぐに注ぎ続ける。

ルグランジュ「オレが思い描く未来予想図には、いつだって君がいるんだ」

(むしろ、君がいない未来なんて、考えられない)

ルグランジュ「君となら、系図で示される未来すら変えられるって……そう思える」

(これって、オレにとっては本当にすごいことなんだ)

(だって、もう長い間悩んできたから……未来は変えられない、変えちゃいけないんだって)

(でも……それを君が変えてくれた。〇〇ちゃんとの出会いは奇跡なんだ)

心の底から熱い感情が沸き上がり、繋いだ手に自然と力がこもっていく…-。

ルグランジュ「だから……君には、一番傍でオレのことを支えていてほしい。 二人でこうして手と手を繋いで、これからの道を歩んでいきたいんだ」

(いいことばかりじゃないかもしれない)

(でも、悲しい時も辛い時も……君とならいつだって一緒にいたい)

オレの想いを受け止めてくれたのか、彼女の顔が幸せそうにほころんだ。

〇〇「はい。隣で、ずっと支えさせてください。 私も……ルグランジュくんとなら、どんな未来でも描けると思います」

〇〇ちゃんの眼差しは優しいのに、凛とした強さも感じる。

(君のこういうところに、オレは支えられてきたんだな)

ルグランジュ「ありがとう。君は、いつだってそうやってオレに力をくれるね」

見つめ合っているだけで、どうしようもないくらい愛が募り…―。

彼女に引き寄せられるように、オレは唇を重ね合わせた。

ルグランジュ「大好きだよ。もう一生、この手を離さないから」

(だから、どうか君もオレの手を離さないで)

(オレ達の前には、無限の可能性が広がっている)

お互いの指を絡め合い、隙間もないくらいにしっかりと繋ぎ直す。

もう一度口づけを交わすオレ達を、石板の放つ暖かい色の光が祝福するように照らしていた…-。

おわり。

<<太陽最終話||月覚醒へ>>