太陽6話 逆襲

本から感じられる禍々しい気が、靄のようになって立ち上がる。

次の瞬間…-。

靄は大きく膨らんだかと思うと、四方へと弾け飛んだ。

イナミ「〇〇ちゃん、こっちに!」

私の肩を抱いたまま、イナミくんが本棚の脇へと飛びのく。

靄が頭上を通過した際、傍にあった本をかすめたのかいくつも落下してきて…-。

イナミ「危ない!」

イナミくんは私を守るように覆いかぶさる。

〇〇「イナミくん!」

彼の背中に次々と本がぶつかる音がして、私は声を上げた。

イナミ「大丈夫。それより、キミは怪我して…-。 !」

いつの間にできたのか……手の甲に擦り傷を作ってしまっていた。

イナミ「それ……」

私の怪我を見つけたイナミくんの表情が険しくなる。

〇〇「これくらい大丈夫だよ」

イナミ「全然……大丈夫じゃないよ」

彼は私の手を取ると、悲しそうに顔を歪ませる。

〇〇「イナミくん……?」

イナミ「……キミを傷つけて、ごめん」

低く絞り出された声に驚いて、イナミくんを見上げる。

そこには今まで見たことのない、強い怒りを湛えた彼の顔があった。

〇〇「……!」

鬼気迫るその表情に、私は息を呑んで彼を見つめた…-。

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