そして暗い夜は開けて、翌日…-。
アフロスの神官達の立会いのもと、オルガさんとの婚姻の儀式が執り行われようとしていた。
アフロスの神官「あなたはこの者・オルガを夫とし、生涯、愛することを誓いますか?」
〇〇「……」
アフロスの神官「……〇〇殿?」
―――――
アヴィ『――約束する、俺を信じろ、〇〇』
―――――
胸に強く残る言葉を抱きしめ、私は顔を上げた。
〇〇「……誓いません!」
オルガ「な……姫様!?」
〇〇「私は……私には…―」
(アヴィ……!)
神官相手に、強い瞳を向ける。
オルガ「わ、わかっているのか君は!?これは神のご神託なんだぞ!?」
〇〇「……っ」
オルガさんは怒りをたたえ、私の腕を強く掴み揺さぶる。
けれど、私の意志は揺るがない。
(私は……アヴィを信じる)
やにわに儀式の参列者達が騒ぎ始める。
参列者1「いったい何事だ……?」
参列者2「祝福がもたらされているのではなかったのか?」
ざわめく人々を前に、神官の額にも焦りが見え始める。
アフロスの神官「どうやら花嫁は混乱しているご様子、一度お連れして……」
その時だった。
神殿の出入り口の扉が大きく開け放たれると、そこには兵士達を引き連れた、アヴィの勇ましく立つ姿があった…-。