シュニー君はしばらく私の目を見つめた後、視線を外して…-。
シュニー「格好いい? 本当にそう思うの?」
〇〇「え……」
彼は目尻をほんのり赤く染め、答えを急かすようにもう一度私を見た。
私はその反応に少し驚きつつも、素直に何度か頷いて見せる。
シュニー「ふーん……」
(……どうしたんだろう?)
何かを考えるような姿に首を傾げる。
シュニー君はふと隣のおじいさんを見て、口を開いた。
シュニー「そこまで言うなら、もう少し騎士について詳しくなってあげてもいいよ」
おじいさん「おやおや……」
(シュニー君、もしかしてやる気を出してくれたのかな?)
そう思うと、自然と顔がほころんでしまう。
シュニー「それで? 参考になる本はどれなの?」
おじいさん「ほっほっほ……本では騎士の神髄など、到底理解できませぬぞ」
シュニー「じゃあ笑ってないで、どうしたらいいか言ってよ」
おじいさん「まぁまぁ、そう焦らずとも……」
おじいさんはゆっくり立ち上がると、今まで優しかった瞳に、わずかな厳しさを浮かべてシュニー君を見下ろした。
おじいさん「花の騎士は、その剣にすべてを賭けるのです」
シュニー「……剣? それって、剣術ってこと?」
(そういえば、シュニー君……運動はあまり好きじゃなかったような……)
あからさまに怪訝な表情を浮かべるシュニー君を見て心配になるけれど……
彼は一呼吸を置くと、そんな心配をよそに真剣な眼差しになり、何も言わずに席を立った…-。