太陽SS 空の天使と海の王子

怪しい男が持ってきた薬によって汚染されてしまった海を、〇〇さんや城の皆と一緒に、綺麗にした後…-。

〇〇「わぁ……中から見ると、また違う景色に見えるね」

〇〇さんにもっと珊瑚礁を楽しんでもらおうと用意した海底船の中で、彼女が、嬉しそうに窓の外の景色を眺めている。

(もっともっと、喜んでもらいたいな)

コライユ「これだけじゃないんだよ!」

僕がそう言うと、船はゆっくりと動き出し……

船から流れる音楽につられるように魚達が珊瑚の周りを楽しそうに泳ぐ。

〇〇「わぁ! 素敵!」

水面へと上がっていく小さな泡に、光を反射して輝く珊瑚、そして、その周りをゆらゆらと泳ぐ魚達…-。

(すごく喜んでもらえてるみたい……嬉しいな)

(けど……)

コライユ「この間の珊瑚達や魚達もね、元気になったんだよ! 君が一緒に頑張ってくれたおかげだよ」

(僕がこうして笑っていられるのも全部……)

(みんなみんな、君のおかげだね)

〇〇「ううん、私なんて……でも、本当に良かった」

〇〇さんが、にっこりと微笑み返してくれる。

そうして二人で海を眺めていたその時、視界の端にピンク色の珊瑚が映った。

コライユ「……あ、あれ見て!」

僕の指差す先には、桃珊瑚という名前の珊瑚がある。

コライユ「桃珊瑚は、エンジェル・スキンとも呼ばれてるんだ」

〇〇「エンジェル・スキン……?」

不思議そうな顔をする〇〇さんに、そっと笑いかける。

コライユ「エンジェル、だなんて……まるで〇〇さんのことみたいだね!」

〇〇「そ、そんなことないよ!」

(そんなこと、あるってば)

コライユ「ううん、本当だよ。だって、〇〇さんって天使みたいにかわいいもん。 ほら、今だってほっぺが桃色で、すっごくかわいい」

(ずっと見ていたいな)

コライユ「本当にありがとう、一緒に珊瑚や魚を守ってくれて…-」

僕は彼女をじっと見つめながら、感謝の気持ちを口にする。

そして……

コライユ「僕は、王子としてこの国を守っていきたい。 珊瑚や、そこに住む魚達……そして、この国に住んでいる人達も。 まだまだ、頼りないかもしれないけどね」

僕は、この国の王子としての気持ちを口にした。

すると、〇〇さんが小さく首を振る。

〇〇「コライユくんは、とっても頼りになる人だよ。 この国のことを心から大切に思ってる、強くて優しい王子様……」

コライユ「〇〇さん……」

嬉しい気持ちが、心の奥の方から次々に溢れてくる。

コライユ「本当に、天使みたい。 けど……」

僕は、〇〇さんをぎゅっと抱きしめる。

〇〇「コライユくん!? あの…-」

コライユ「やっぱり、天使だったらちょっと困っちゃうかも。 空と海じゃ……会うの、とっても大変そうだから」

〇〇「コライユくん……」

〇〇さんの体から心臓の音が伝わってくる。

それは、僕と同じぐらい速くなっていて……

コライユ「君のこと、大好き。 だから……これからは君のことも僕に守らせて欲しいんだ。 一人の男として」

〇〇「……」

驚いたように目を見開く〇〇さんに、不安と緊張で、心臓の音がどんどん速くなっていく。

(迷惑……だったかな)

(でも……)

コライユ「返事、聞かせて。 僕のこと……好き? 嫌い?」

〇〇さんの肩に手を置いて、顔を覗き込む。

すると……

〇〇「……好き、だよ。 私もずっと……コライユくんの傍にいたい」

コライユ「……!」

〇〇さんが、僕の胸に顔を埋める。

その温もりを感じながら、僕は……

コライユ「僕達、両想いだね♪」

〇〇「……っ」

〇〇さんが、恥ずかしそうに顔を隠してしまう。

だけど僕は、その頬に手を添えて…-。

コライユ「キス、していいよね?」

彼女の返事を待つことなく、そのかわいい唇にキスを落としたのだった…-。

おわり。

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