ショーのために作られたドレスは素晴らしく、目を見張るものだった。
クラウン「素晴らしい……! よし、これならば少し筋書きを変えよう!」
ドレスを見て、クラウンさんは目をきらきらとさせて話し始める。
クラウン「テーマは人形師にしよう! 〇〇は人形……。 私が作ったウェディングドールだ! 結ばれる二人が、式に飾るウェディングドールは幸せの象徴……ぴったりだろ?」
〇〇「ウェディングドール……とても素敵ですね!」
クラウン「だから、私が合図をするまでは、動かずに椅子に座って瞳を閉じていて」
優しく微笑むクラウンさんを見ていると、不安が少しずつ遠のいていく。
クラウン「そう、そして人形師の、人形への想いが募り……。 最後は……できあがった人形の出来に喜んで、一緒に踊り出す」
そこまで言って、クラウンさんは私にウインクを飛ばした。
クラウン「〇〇と一緒にかわいらしいダンスを踊るんだ」
〇〇「ダンスを?」
クラウン「そう。とは言っても簡単なものだよ」
クラウンさんはそう言うと、私の手を取り、踊り始めようとした。
〇〇「私、ダンスが上手くできるか……大丈夫でしょうか?」
クラウン「大丈夫、貴女はお人形なんだ。私に身を任せて」
こうして台本は手直され、本番はクラウンさんとダンスを踊ることになったのだった…-。