太陽6話 ちりばめられた思い出

周りの喧騒が、今はどこか遠くのもののように感じる…-。

(リカさん……)

リカさんに抱きしめられ、私は彼の温もりに身も心も包まれていた。

しばらくして……リカさんがそっと腕の力を緩める。

リカ「目、閉じて。俺がいいって言うまで開けるなよ」

〇〇「は、はい」

リカさんに言われるがまま、目を閉じていると……

リカ「ん。いいよ」

目をゆっくり開けると、そこには…-。

〇〇「これ……!」

リカ「驚いたか?」

テーブルの上に、いつの間にかチョコレートで彩られたデザートプレートがのせられている。

盛りつけられたチョコレートがプレートに描き出すものは、まるで花火のような大輪の花で…-。

〇〇「花火……?」

リカさんと新年を迎えた時に打ち上げられた花火が、頭によぎった。

リカ「あ、わかった? 並べ方とか色とか、けっこう難しかったんだよ。あれ再現するのに」

リカさんも私と同じ光景を思っていると知って、胸が熱くなる。

(嬉しい……)

この場所のいたるところに、リカさんとの幸せな思い出がちりばめられている気がして……

リカ「少なくとも俺は、お前が一番に喜んでくれるようにって思ったよ。 もちろん、それだけってことはないけどさ」

〇〇「リカさん……」

言葉にできない想いが胸の中で溢れ、ただただ目の前にいるリカさんを見つめてしまう。

彼は私の頬をゆっくりと撫でた後…-。

リカ「見てるだけじゃ、物足りないよな。 これ食って、早く次行こうぜ?」

食べるのがもったいないとは思いながらも……

これからもまだ続く彼との時間が楽しみで、私はそっとフォークを手に取ったのだった…-。

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