太陽最終話 世界で一番の王子様

濃紺の空の下、ミヤがまっすぐに私を見つめている…-。

(世界で一番、笑顔に……)

彼から贈られた言葉を嬉しく思いながらも、私はなんと返せばいいか言葉を探していた。

すると……

ミヤ「本気だよ」

真剣さを帯びたミヤの瞳が、私を射抜く。

〇〇「ミヤ……」

いつもの人懐っこい笑顔は影をひそめていて、その表情から、彼が深く私を想ってくれていることが伝わってくる。

(突然のことで驚いたけど……私も、きちんとミヤの気持ちに応えたい)

〇〇「ありがとう……ミヤ。 ミヤがそう言ってくれて、すごく嬉しい」

するとミヤが背を少し曲げて、私の顔を覗き込む。

こぼれそうなほど美しい星空の下、綺麗な金色の髪がさらりと揺れた。

ミヤ「それは……オレと同じ気持ちって思って、いいんだよね?」

〇〇「……うん」

出会った頃と比べて、ミヤは大きく変わったように思う。

―――――

ミヤ『……ここにいると、思うんだ。 昔のオレなら勝手に自分を諦めて、ここへ来ることもできなかったかもって』

―――――

明るくて、優しくて、人の弱さも知っているミヤ……

困難を乗り越える度に強さを手にしてきた彼の姿が、心に浮かんでくる。

(そんなミヤのことが……どんどん好きになってた)

ミヤ「……〇〇ちゃん?」

黙り込んでしまった私の顔を、ミヤが覗き込む。

その瞳は、少し不安そうに揺れていた。

(ちゃんと、伝えなきゃ)

ミヤを安心させたくて、私は満面の笑みを彼の贈った。

〇〇「私も、ミヤのことが好き。 だから……私もミヤを一番笑顔にできる人になりたい」

心の中にある大切な想いを、言葉に変えていく。

すると……

ミヤ「キミは、本当に……。 どこまでオレを好きにさせたら、気が済むの?」

ミヤは一瞬だけ目を見開くけれど、すぐに今日一番の笑顔を見せてくれる。

そして彼の手が、ゆっくりこちらへと伸ばされ……

〇〇「……っ」

私の頬を、指先で柔らかになぞった。

ミヤ「キミがオレを見てくれてる。それだけで、なんでもできそうな気持ちになる。 ……キミは?」

ミヤは、どこか期待混じりの顔で私を見つめていた。

〇〇「もちろん同じ気持ちだよ」

すぐにそう答えると、彼は幸せそうに微笑んでくれた。

ミヤ「じゃあ、二人でいたら怖いものなんてないね」

〇〇「うん。一緒にいれば、きっとどんなことでも乗り越えられると思う」

(何があっても、ミヤといれば自然と笑顔になれる)

(今までも、これからも……)

心が感じるまま、ミヤの言葉に同意すると……

ミヤ「そんな顔……ずるいなぁ」

ほんの少しだけ、彼が困ったように眉を下げた。

〇〇「え?」

ミヤ「ううん、なんでも…-。 ……ごめん、やっぱりちゃんと言う」

ミヤは照れくさそうにそう言って、小さく深呼吸をする。

そして……

ミヤ「キミのことが……大好きだなあって思っただけ。 かわいい笑顔を見てたら、自然とそう思ってた。 だから、ずるいなぁって」

〇〇「ミヤ……」

飾らない言葉が胸に響き、彼への愛しさが募っていく。

〇〇「ずるいのは、ミヤもだよ。 いつもそうやって、不意打ちみたいに優しい言葉で私をドキドキさせて……」

ミヤ「あはは、ごめん。けど……」

背中に腕が回されたかと思えば、彼は優しく私を抱き寄せた。

ミヤ「キミをドキドキさせられてるなんて、すっごく嬉しいな」

温かな彼の体温に、鼓動がトクトクと速度をはやめた。

〇〇「もう…-」

ミヤ「へへっ……」

ミヤの吐息混じりの笑い声が耳元で甘く響き、なお胸をくすぐってくる。

そんな私を、ミヤはもう一度ぎゅっと抱きしめて……

ミヤ「……ねえ、〇〇ちゃん。 オレ……この先もずっと、キミと一緒にいたい。 これからお互いのことを、もっともっと知って……二人で一緒に成長していきたいんだ。 だからこれからも、オレの傍にいてくれる?」

改めての問いかけに、私は迷うことなく答えを出した。

〇〇「うん。二人で一緒に、たくさんのものを見て……。 ミヤのことも、もっとたくさん知っていきたい」

小さく頷くと、彼の顔がゆっくり近づいてくる。

そして……

ミヤ「大好きだよ。 オレの……オレだけの、お姫様」

まるで誓いの証のように、ミヤから優しいキスを贈られる。

(私も、大好き……)

月と星々、そしてパビリオンに灯る優しい光が辺りを包み込む中……

世界で一番笑顔が素敵な、愛しい王子様と口づけを交わすのだった…-。

おわり。

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