人懐っこいフラフは、私に気づくと嬉しそうに駆け寄ってきた。
〇〇「つかまえた!」
フラフを抱きしめながら、私はほっと胸を撫で下ろす。
(って……あれ? ここ、どこ?)
城からそんなに遠く離れていないはずなのに、どうやら迷ってしまったようだ。
深みを増していく闇の中、私はフラフと共に途方に暮れた。
その頃……
アヴィは、〇〇の姿を探していた。
アヴィ「どこいったんだ、あいつ!」
けれど城中のどこを探しても〇〇はいない。
アヴィ「こんな夜中に……!」
力任せに廊下の壁を叩く。
こうしてる間に、何が起きるか。
彼女の存在が大きくなっていることに、アヴィ自身気づいていた。
アヴィは拳を握りしめて、ゆっくりと前を見据えた…―。