太陽8話 苦渋の決断

夜空の星が、頼りない光を瞬かせている…ー。

私は眠れない夜を一人で過ごしていた。

(アマノさん……)

何かにすがりたくなるような気持ちで、窓の外から満天の星を見上げる。

(いったい、何があったんだろう)

部屋の前で見た、彼のいつになく強い瞳を思い出す。

(怖いくらいだった……)

その時、部屋の扉が小さく二回ノックされた。

アマノ「……起きていますか?」

○○「……!アマノさん!?」

私はすぐに窓辺から扉に駆け寄り彼を部屋へと迎え入れた。

○○「アマノさん……」

(どうしてこんな夜更けに?)

聞きたいことはたくさんあるのに、上手く言葉を紡ぐことができない。

アマノ「……」

彼は無言のまま椅子に腰かけ、両手を組んで額にあてた。

○○「……」

ただ、重い沈黙だけが流れていく。

やがて……深く息を吐き出してから、アマノさんは顔を上げた。

金色の燃えるような瞳が、私をまっすぐに見る。

○○「……っ」

その鋭さに一瞬たじろぎしそうになった時……

アマノ「今度、隣国で大規模なモンスター討伐遠征が行われます。 僕は……その場に大使として赴く決意をしました」

○○「え……?大使ってアマノさんも討伐に参加するんですか!?」

アマノ「はい」

しっかりとした返事に、言葉を失ってしまう。

(だって、積極的な討伐はしたくないって)

戸惑うことしかできない私の様子を見て、アマノさんが言葉を継いでくれる。

アマノ「とうとう、隣国が痺れを切らして……次の遠征に戦力を出さなければ、関係を断絶すると」

○○「……!」

アマノ「ですが、この国に遠征に裂ける兵力はありません。下手をすれば街の守りが手薄になります」

○○「まさかそれで、アマノさん一人が……?」

アマノ「はい」

○○「そんな…ー!!」

アマノ「けれど僕はこの国を率いる者として、民のためにも隣国との関係を悪化させることは避けたいんです!」

○○「……っ」

聞いたこともないような大きな声に、体がびくりと震えてしまう。

アマノ「……!」

力強く腕を引き寄せられたかと思うと、次の瞬間にはアマノさんに抱きしめられていた。

○○「……っ」

アマノ「すみません。君を怖がらせるつもりなんてないんです……!」

感情を持て余すように……アマノさんの手が少し乱暴に私の髪を撫でる。

○○「……」

(やっぱり本当は、討伐なんて望んでいない……?)

彼の心を思い、胸が張り裂けそうになる。

けれどやっぱり何も言うことができなくて、そっと彼の背に手を回した。

アマノ「……すみません、もう大丈夫」

ゆっくりと、アマノさんの腕が私を解放する。

そして…ー。

アマノ「○○」

心に直接響く通りのいい声が私を呼んだ。

アマノ「君にお願いがあります」

真摯な目で臨まれて、心臓が高鳴っていく。

緊張とも、淡い弾みとも違う胸騒ぎがする……

(アマノさん……)

月の光が、アマノさんの持つ弓を美しく照らし出していた…ー。

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