私達は撮ったばかりの写真を確認した。
写真の中の二人は、ぎこちない笑顔を浮かべている。
フォーマ「変な笑顔だ……撮りなおそう」
○○「う、うん……」
私達は再び距離を縮める。
胸の鼓動が、聞こえてしまいそうなくらいに高鳴る。
フォーマ「○○、笑って」
フォーマの優しい声が、私の気持ちを和らげた。
自然に笑えた瞬間、フォーマがシャッターを押す。
フォーマ「うん、いい笑顔だ」
今度は二人とも、最高の笑顔で撮れた。
フォーマ「ここに来た記念になって良かった」
(フォーマもそう思ってくれていたんだ……良かった)
フォーマ「次はどこ行こうか?」
フォーマがそう言った瞬間――
(雨……?)
薄い灰色の雲に覆われていた空が、急に暗さを増していく。
たちまちに空は厚く雲がかかり、大粒の雨が降りだした。
(せっかくいい天気だったのに……)
雨粒は容赦なく、私達に降り注ぐのだった…―。