太陽9話 夜光の花 秘話

〇〇「……さっき、夜光の花がなくなればって言われてたのは……」

薄暗い部屋に、自分の声がやけに響く。

アキト「夜光の花ができる前のことです……植物の毒に目をつけた他国に、侵略を受けたことがありました」

〇〇「そんな……」

アキト「その時、大地と水の女神と毒花の王子達が集まって、自衛のために作られたのが夜光の花です。 毒を、武器にするべきだと……」

(そんな経緯があったなんて……)

アキトさんは悲痛な面持ちながらも話し続けてくれた。

アキト「私も、ただ蹂躙されるのをよしとは思いません。しかし……。 だからと言って、他国の侵略に手を貸すようなことはしたくない。 本当はこの国を、民を、守りたかっただけなんです……」

〇〇「アキトさん……」

辛そうな声音に耐えきれず、アキトさんの手をきつく握る。

伏せがちだった瞳が、悲しげに揺れている…-。

(なんて悲しそうな顔……)

アキト「我々は、毒を持つ花ではありますが、私達だって……花なんです……。 本当は……人の心を癒やす存在でありたい」

〇〇「アキトさん……」

(この人のことを、支えてあげたい)

(私にできることがあるなら、なんでもしてあげたい……)

アキト「〇〇さん……」

泣き出してしまうのかと思えば、アキトさんはふわりと顔をほころばせた。

とくん、と大きく鼓動が跳ねる。

アキト「貴方の言葉は本当に不思議です。とても勇気づけられます。 今の私は無力ですが、きっと叶えてみせます……ありがとう」

アキトさんの悲しい笑顔が、胸に焼きついて離れなかった…-。

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