第1話 突然の事件

魔法科学の国・ダテン、宙の月…―。

街に灯るネオンの光が、星のように輝く夜…―。

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澄快「目覚めさせてくれた礼がしてぇんだが、わりぃけど、ちょこっと来てくれねぇか?」

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澄快さんから手紙で連絡を受けた私は、彼の住む魔法科学の街・ダテンを訪れていた。

(私の住んでいたところみたい)

何もかもが近代的なこの街は、私に元いた世界の事を思い出させる。

(なんだか、懐かしいな)

食い入るように景色を眺めて歩いていると、一台の車が私の目の前に急停車した。

謎の男「上玉みっけ!こりゃ高く売れるぞ」

(だ、だれ……!?)

中から顔を出した男が、私の腕を掴んで車の中に引きずり込もうとする。

○○「やめて……っ!」

突然の事に驚いて。声を上げた時…―。

??「オイ、その汚え手を離せ。さもねぇと、頭撃ち抜くぞ」

低く響く声が、私のすぐ後ろから聞こえる。

??「オマエらが、最近女子供捕まえて悪さしてるって奴らか?」

振り返るとそこには、男に向かって銃を構える澄快さんの姿があった。

澄快「よお」

○○「澄快さん……!」

男はすでに私の腕を放して、両手を上げて観念しているけれど、男の両耳に光っている大きな髑髏のピアスが、不気味に私を見据えていた。

謎の男「ち……っ」

澄快さんの剣幕に怖じ気づいたように、男は車を急発進させて、その場から走り去った。

澄快「おい、待てっ!」

澄快さんが車に向かって拳銃を構える。

○○「……っ!」

(すごい音……!)

その球は車のはるか後ろに着弾し、車に当たることはおろか、かすめることもなかった。

澄快「くそっ!次はぜってーとっ捕まえてやる!」

忌々しげに言い捨てる澄快さんに、慌ててお礼を言おうとする。

○○「あの、ありがとうございま…―」

澄快「危ねぇだろ!ぼーっと突っ立ってんな!誘拐されるとこだったぞ!!」

○○「す、すみません!!」

澄快「い、いや。危ない目に遭わせちまって、悪かったな。久しぶりだな」

そう言って、澄快さんがニッと笑う。

このことがきっかけで、澄快さんと街中を駆けまわることになるなんて、まだ私は思っていなかった…―。

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