第3話 彼の活躍

窓から差し込む陽の光が、闇を含み始める…-。

国王様のご厚意で用意していただいた部屋で、私達はひと息吐いていた。

スネーク「……」

スネークさんは黙り込んだまま、窓の外をじっと見つめている。

〇〇「……手伝ってみますか?」

スネーク「! いえ……そんなこと…-。 って、キーツが言ってる」

ぽつりとつぶやいた後、スネークさんはゆっくりと私に視線を向ける。

スネーク「この国では、いろいろな毒を扱っているのね。 って、エミリーが言ってる。 それに……誰も俺達を好奇の目で見たりしない。その上、協力してほしい、なんて。 って、ダンが言ってる」

困ったような口ぶりながら、協力することを拒んでいるわけではなさそうだった。

〇〇「皆さんの毒も、きっと喜ばれると思います。特にサキア……この国の王子は、大歓迎してくれそう」

スネーク「大……歓迎? って、オスカーが言ってる……」

よほど意外だったのか、スネークさんが大きく目を見開く。

〇〇「はい。もちろんです」

スネーク「……」

彼は、自分の頬をそっと撫でた。

スネーク「……協力は、まだ考えさせてもらおう。 って、ウェブスターが言ってる」

スネークさんの蛇達は、戸惑う彼を支えるように、ずっと傍に寄り添っていた…-。

……

翌朝…―。

従者「大変だ……! すぐに城の警備を整えろ」

メイド「奥の部屋の窓が、割られております! おそらく、そこから侵入したのだと……」

(何……!?)

王宮内が、何やら騒がしい…―。

廊下へ出てみると、従者さんやメイドさんが慌ただしく動いていた。

隣にいるスネークさんも、訝しげにその様子を眺めている。

〇〇「あの……何かあったんですか?」

通りかかった執事さんに声をかけると、申し訳なさそうに頭を下げられる。

執事「お騒がせしてしまい、申し訳ありません。実は、採取した毒液ごと蛇が盗まれてしまいまして……」

〇〇「蛇が!?」

スネーク「……!」

執事「厳重に管理をしていたのですが…-」

(盗まれたって……)

スネーク「……」

スネークさんは、顎に手をあててじっと何かを考えている。

(スネークさん?)

しばらくすると、スネークさんの肩にいる数匹の蛇が、左右をうかがうように縦横無尽に動き始めた。

スネーク「あっち。 って、ゲーテが言ってる」

(えっ……!?)

スネークさんはぽつりとつぶやくや否や、走り出す。

見失わないように、私は急いで彼の背中を追った。

スネーク「悪いわね。急に走り出して。 って、エミリーが言ってる」

〇〇「スネークさん、もしかして……」

スネーク「ああ、匂いでわかる。 って、ウェブスターが言ってる。 それに、盗んだ蛇にひどいことをしていたら許せねーぜ! って、ワイルドが言ってる」

(スネークさん……)

〇〇「そうですね……追いかけましょう!」

私は、彼の背中について犯人を追った…-。

スネークさんと共にたどり着いた先は、王宮の外れにある森の中だった。

(あっ……!)

奥深くに、複数の男性の姿がよぎる。

スネーク「盗んだのはお前らだな! って、ワイルドが言ってる」

??「……!!」

草木を掻き分けながら、人影は遠ざかっていく。

(あっ……)

逃げられてしまうと思った瞬間……

スネーク「逃げられると思ったか! って、ワーズワスが言ってる」

まるでスネークさんの声が合図になったかのように、蛇達が獰猛な牙を向けて男達を追い始める。

〇〇「……!」

男「わあああああっ!」

男達全員の体に蛇達が巻きつき、逃げられないように締めつけている。

(あれは……!)

透明の瓶の中に窮屈そうに入れられている蛇が、長い舌を出して私を見ていた。

(王宮から盗んだ蛇……!?)

犯人の男達は苦しそうにもがき、顔色はみるみるうちに青ざめていく…-。

(いけない、このままじゃ……!)

〇〇「スネークさん……っ!」

スネーク「……」

思わず叫ぶと、スネークさんが私の顔を見る。

その瞬間、男達を締め上げる蛇達の力が少し緩んだ。

スネーク「……殺しはしない。 って、ダンが言ってる」

ほっと胸を撫で下ろしていると、不意に彼と目が合う。

〇〇「ありがとうございます、スネークさん。すごいですね!」

スネーク「……別に。たいしたことじゃない。 って、オスカーが言ってる」

やはり逸らされる顔は、ほんのりと赤く染まっているような気がした…-。

<<第2話||第4話>>



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする