第2話 国王様からのお願い

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シリウス『アンタの匂いは、嫌いじゃねえから……』

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シリウスと中庭で出会った後、国王様の元へ向かった。

案内された部屋に入ると、威厳のある国王様がすでに玉座に腰掛け待っていた。

〇〇「お、お待たせしました」

慌てて頭を下げる。

国王「君が、トロイメア王女か」

〇〇「はい。〇〇と申します」

国王「可愛らしい姫君だ。長旅で疲れたことだろう。 このように遠い国まで招待してしまい、申し訳ない」

〇〇「そんな!光栄です」

そのそばには、優しそうなお启様が寄り添うように座っていた。

(お启様、どことなくシリウスに似てる……)

(シリウスも、今日、近くで見ると本当は優しそうな顔してた)

(言葉なんかは、とっても乱暴だけど)

と、そこまで考えて、慌ててその想いをかき消した。

(なんで、こんなにシリウスのことばかり考えてるんだろう……)

先ほど、私の顔のすぐ近くにあった彼の笑顔が思い出される。

国王「姫。 このたびは、我が息子、シリウスを眠りから目覚めさせてくれて、心から感謝している。 そこで、勇敢な姫君に折り入って、相談があるのだが……」

〇〇「私にですか?」

国王「ああ、何、大したことではないのだが……。 シリウスの、友人になってやってくれないだろうか」

〇〇「え……?」

国王「あいつは、従弟のプロキオンばかりを構っていて、心配だ」

(プロキオン……。さっき、シリウスが中庭で捜していた相手だ)

国王「どうだね、姫」

〇〇「あの……」

シリウス「待ってくれよ!」

私が答えるよりも先に、シリウスがどこからか飛び出してきて叫んだ。

シリウス「急に、オレと友達になれなんて、こいつだって困るだろ」

そう言って、シリウスが得意げに笑って…-。

シリウス「父上。オレは特に友達に困ってるわけじゃねえし、友達なら自分で捜せるさ!」

父上「はぁ……また、我がままを。現に今、できていないから、こうして儂が手を打っておる」

シリウス「だって、可愛い従弟の面倒を何よりも率先してみるのは、当たり前じゃねえか」

国王「面倒をみる者なら、お前でなくとも他に大勢いるはずだ。 四六時中プロキオン、プロキオンと……いつまでも従弟離れができず、みっともない」

シリウス「なっ……馬鹿にすんなよ! オレはただあいつが心配で!!」

(た、大変。言い合いになって……止めた方がいいよね?)

〇〇「あ、あの、シリウス! 私、あなたと友達になりたい。 友達に、なってくれる?」

シリウス「アンタ……」

シリウスが言い合いを止め、驚いたような顔で私を見る。

少しの間、考えていたシリウスは、ぶすっと仏頂面になり、そして、ちらりと私を見て、小さな声で言い捨てた。

シリウス「まあ、アンタがオレと友達になりたいって言うなら、別にそれで構わねえけど」

〇〇「シリウス……」

国王「……そうか。良かった。ではよろしく頼む。姫」

〇〇「はい」

こうして、私とシリウスの、ちょっと奇妙な友人関係が始まったのだった…-。

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