第4話 街の復興

午後の休憩が終わる頃…-。

私達は街の人達に混ざり、大きくひび割れた道の修復作業に取りかかった。

セラス「崩れやすくなっとうから、気ぃつけながらな」

作業する人達に声をかけ、セラスさんは道にできた陥没に土を被せた。

セラスさんの姿を見ながら、私は街の女性達に混ざり、沿道に街路樹や花の苗を植えていく。

街の女性「姫様の手を煩わせてしまって、すみません」

植樹のリーダーをしている女性が、私に申し訳なさそうに頭を下げる。

〇〇「いいえ、私にできることなら。 皆さん喜んでくれるといいですね」

セラス「その花、花の精の国や花と緑の国から取り寄せてんねん。綺麗やろ?」

私達の声が聞こえたのか、少し離れた場所にいるセラスさんが声をかけてきた。

〇〇「そうだったんですね」

(本当に綺麗……)

苗を手に取り、黄色の可憐な花を見つめる。

子ども達「セラス様~!」

明るい声が聞こえて、セラスさんの方を振り向くと…-。

子ども達がセラスさんの周りに駆け寄り、服を引っ張っていた。

子ども1「セラス様、遊ぼうよ! この間の鬼ごっこの続き!」

セラス「遊ばへーん。今作業しとんの。見たらわかるやろ?」

子ども2「わからへーん!」

子ども達がセラスさんの真似して口々に答える。

思わず笑いそうになって、私は口元を腕で隠した。

セラス「真似するんやないて。ほら、向こうで遊んどき」

子ども1「え~? じゃあ、セラス様がミネルヴァのモノマネしてくれたらいいよ!」

セラス「しゃあないな……。 ホウホウ……オレはミネルヴァ……ってできるかアホ!」

セラスさんの声が、子ども達が笑いながら走り去っていく。

セラス「ったく、完全に遊ばれとんなぁ……」

子ども達を見つめ、セラスさんは少し嬉しそうにため息を吐いた。

(セラスさんが子ども達にからかわれるなんて……)

〇〇「なんだか、かわいい……」

セラス「聞こえとんで。 それ、褒め言葉やないかなら?」

私の小さなつぶやきに、セラスさんは大声で返事をする。

〇〇「セラスさんって……」

セラス「生まれ持っての地獄耳や!」

〇〇「っ……!」

私の考えを読んだかのような返事が、こちらに飛んでくる。

恥ずかしくなって、私は思わずうつむいてしまった。

〇〇「あ……手が止まってしまいました。すみません」

苗を手に持っていたことを思い出し、慌てて土を掘る。

街の女性「大丈夫ですよ。ゆっくりやりましょう」

女性もくすくすと笑いながら、セラスさんを見つめる、

街の女性「こうやって、セラス様はいつも率先して復旧作業にあたってくれるんです。 ありがたいですけど……王子様にここまでやらせていいのか不安にもなってしまって」

〇〇「それは…-」

街の男性「あの王子は、俺達が一番大変な時に国にいなかったじゃないか。これくらいやってもらって当然だ!」

口を開きかけたその時、怒りを含んだ声が私の声を遮った。

〇〇「え……?」

修復作業をしていた男性が、セラスさんを睨んでいる。

その瞳には怒りがにじんでいて、私は不安を掻き立てられていった…-。

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