第4話 練習の合間に

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カノエ『騎士……!?』

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私が騎士の役職を希望すると、カノエさんが大きく目を見開いた。

〇〇「駄目でしょうか?」

カノエ「駄目というわけではないが……王か女王がいいかと思っていた」

〇〇「どうしてですか?」

カノエ「痛みを感じないとはいえ、お前を危険な目に遭わせたくない」

〇〇「!」

優しい言葉が、私の心を甘くくすぐる。

(嬉しいけど……)

守ってもらうばかりではいたくなくて、私はぎゅっと手を握りしめた。

カノエ「だから……考え直してみてくれないか」

(カノエさんは……責任感が強いから)

それゆえ、彼は何かあると一人で抱え込んでしまうことが多かった。

言葉が足りなかったり、優しさが裏目に出て、諍いとなったこともある。

(だから……)

〇〇「カノエさんに守られてばかりじゃなくて、隣で支えられないかなって」

カノエ「お前……」

真剣に告げると、カノエさんもまっすぐに私を見つめてきた。

〇〇「駄目、でしょうか? 一生懸命、頑張ります」

カノエ「そこまで気張らなくていい」

そう言うと、カノエさんは柔らかに口元を緩めた。

カノエ「ふっ……」

普段は凛々しく毅然としたカノエさんの表情が和らぐと、胸がくすぐったいような心地になる。

カノエ「わかった……頼りにしている。だが、無理はするなよ」

〇〇「カノエさん……はい!」

気づくと、チームメイト達がニヤニヤと笑みを浮かべながら私達を見守っていた。

(皆、ずっと見て…―)

途端、恥ずかしさが募り頬が熱くなる。

カノエ「お前ら、何へらへらしてるんだ」

チームメイト1「いやー、いいもの見せてもらいました」

チームメイト2「ほんと、お似合いだなって思ってただけですよ」

〇〇「お、お似合いって……!」

てらいなく言われると、ただでさえ早い鼓動がますます騒がしくなってしまう。

ちらりと、カノエさんを見上げると……

カノエ「……馬鹿なことを言ってないで練習するぞ」

さっと私達に背を向け、一人フィールドへと歩き出す。

後ろから覗く彼の耳は、わずかに赤く染まっているような気がした。

〇〇「私達も、行きましょう」

チームメイト達「はい!」

カノエさんの後を追うように、皆でフィールドに向かう。

……

やがて、練習が始まり……

カノエ「はぁっ!」

カノエさんは誰よりも早くコツを掴み、隙をついては模擬練習の相手の武器を破壊していく。

先ほどから、もう何度、撃破する音を聞いたかわからない。

(また勝った……!すごい、あっという間に連係も取れてきたし)

カノエさんに引き上げられるようにチームの皆もみるみる上達していった。

カノエ「言った通り、習うより慣れろ、だな。 陣形もこれで整った」

気持ちが高揚しているのか、カノエさんが自信に満ちた笑みを浮かべる。

〇〇「それじゃあ、そろそろ受付にエントリーシートを出しに行きましょうか」

カノエ「ああ……お前ら、○○と行ってくるから練習を続けてくれ」

チームメイト達「了解です!」

与えられる異能力がどんなものになるかで、作戦が最終的に決まる。

期待と不安交じりに胸を高鳴らせながら、カノエさんと二人で受付へと向かうのだった…―。

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