第5話 いつもと少し違う彼

その後も、ラスさんとデートを楽しんでいるうちに……

楽しい時間はあっという間に過ぎ、街は夜を迎えていた。

〇〇「ラスさん、今日はありがとうございます。 このキーホルダー……ずっと大切にしますね」

デートの途中で彼が買ってくれたキーホルダーを取り出す。

小箱に入れられたそれは、かわいいラッピングが施されていた。

ラス「どういたしまして。そのかわいい笑顔が見られただけでも、買った甲斐があったよ」

ラスさんは目を細め、するりと私の頬を撫でる。

触れた部分から熱を帯びていくような気がして……

〇〇「み、皆さんへのお土産……たくさん買ったんですね」

赤くなっているであろう頬を誤魔化すため、私はそんな言葉を口にしていた。

ラス「まあね。クリスマスのグッズなんて、オレの国には売ってないからさ。 皆、珍しがるかなと思って」

たくさんのプレゼントが入った、大きな袋を下げてラスさんが笑う。

(大きな袋に、プレゼント……)

〇〇「ラスさん、まるでサンタクロースみたいです。 トナカイの引くソリに乗ってみますか?」

ラス「ふふ。そうしたら、よりサンタっぽく見えるだろうね。 けど、皆が寝てる間に配って歩くのも悪くないかも」

〇〇「そうしたら、皆さん驚きそうですね」

ラス「うん。でも……キミが寝ている間に、プレゼントを渡しには行けないかな」

〇〇「どうしてですか?」

ラス「だって、何もしないで帰れる自信がないからさ」

〇〇「……!」

慌てる私に、彼は少し悪戯っぽい笑みを浮かべる。

(でも……)

からかう彼の姿を見て、ふと気づく。

(ラスさん……今日は本当に、あまり触れてこなかったな)

手を繋いだり、抱き寄せられたりはしたものの、彼がいつも求めてくるような接触の仕方とは、まるで違う。

(確かに、色欲の力は使わないって言ってたけど……)

そんなことを考えていた時、急に強い風が吹き、夜になりさらに冷たくなった風に、私は思わず身を震わせた。

すると……

ラス「……こうしていれば、少しは温かい?」

〇〇「……!」

ラスさんが、風から守るようにして私の肩を抱き寄せ……

突然近づいた距離に、私は思わず息を呑む。

〇〇「はい……温かい、です」

ラス「ふふ。こんなこと何回もしてるのに、まだ慣れないの? まあ、キミのそういうところも好きなんだけど」

優しげに微笑むラスさんを見ていると、心臓の音が再び少しずつ速くなっていく。

〇〇「ええと……。 もうこんな時間なんですね。なんだか、あっという間でした」

恥ずかしさを誤魔化すように話題を変えるけれど……

ラス「そうだね。でも、デートはこれからが本番だよ?」

それは許さないとばかりに、ラスさんが指と指とをするりと絡める。

(これからが、って……)

これ以上ないほど高鳴る鼓動の音を耳にしながら、私は長身の彼を見上げた。

そんな私を、長いまつ毛に縁取られた瞳が捉え……

ラス「温かくなれる場所、行こうか」

少し低い甘い声が、体の芯をぞくりと震わせる。

恋人同士で過ごすクリスマスの夜……まだ見ぬその時間や彼の甘い囁きに言葉を詰まらせながらも、私を愛おしげに見つめながら返事を待つ彼に、そっと頷くのだった…-。

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