第1話 白銀の街中で

審判の国・アルビトロ 星の月…-。

憧憬の国・チルコの王子であるウェルガーくんとドローレくんの主催する『クリスマス・サーカス』が、アルビトロでも開かれることになり……私は、彼らと共にこの街を訪れていた。

(綺麗……)

クリスマス飾りと白い雪に彩られたアルビトロは、見ているだけで心が浮き立つ。

(皆、とっても幸せそう)

街中には、寄り添いながら歩く恋人達がたくさんいた。

その幸せそうな姿に気を取られていた時…-。

??「おっと」

〇〇「! すみませ…-」

こちらに歩いてきた人とぶつかってしまい、倒れそうになったところを支えられる。

??「大丈夫? ……って、〇〇?」

(あれ、この声って……)

聞き覚えのある声に、顔を上げると……

〇〇「ラスさん!?」

ラス「うん、久しぶりだね。 ふふ。よそ見してたら危ないよ?」

そう言って、ラスさんは私の腰を抱き寄せた。

ラス「キミはかわいいんだから。隙だらけだと……こんなこともされちゃうかもよ」

〇〇「……!」

ぎゅっと抱きしめられて、鼓動が少しだけ速くなる。

それが伝わってしまわないように、身じろぎすると……

ラス「なんてね。 それにしても、こんなところで会えるなんて……オレの願いが通じたのかな」

くすくすと笑いながら腕の力を緩めたラスさんが、じっと私の瞳を見下ろしてくる。

(願いって……?)

長いまつ毛に縁どられる瞳は、妖艶さが際立っていたけれど、それ以上に、包み込むような優しさを感じられたのだった…-。

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