第2話 執事喫茶…?

放課後…-。

約束通り、私はサイさんの寮室へと向かった。

(サイさんの部屋は……ここだよね?)

○○「サイさん、○○です」

ノックをして、声を掛ける。

するとわずかな間の後、扉が開かれ…-。

○○「……!」

そこには、恭しく頭を下げているサイさんの姿があった。

○○「えっ……サイさん!?」

サイ「おかえりなさいませ、○○お嬢様」

サイさんの声は、少し上ずってしまっている。

(一体、これは……?)

私はかける言葉を探しながら、先ほどのサイさんの姿を思い返す。

(落ち着かない様子だったことと、関係しているのかな……?)

サイ「お嬢様、いかがなさいましたか?」

サイさんは、ぎこちない微笑みを私に向けてくる。

サイ「お嬢様、どうぞお入りください」

○○「は、はい……っ」

サイさんは私をテーブルに案内した後、椅子を引いてくれるけど…-。

上手に引けずに、音がガタガタと鳴ってしまう。

サイ「……!」

一瞬、サイさんは動揺した表情を見せたものの、すぐにぎこちない笑みを浮かべた。

サイ「……どうぞ、お嬢様」

○○「あの……サイさん」

サイ「お飲み物はコーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」

サイさんは、なおもこのやりとりを続けようとする。

(水を差すようなことは……しない方がいいかな)

戸惑いながらも、私は最後まで彼に付き合うことにした。

○○「では……紅茶で……」

サイ「かしこまりました」

サイさんは丁寧にお辞儀をして、その場を立ち去る。

(サイさん、まるで執事さんみたい……)

暫くすると、サイさんはポットとカップ、それとソーサーを持ってやってきた。

サイ「では、失礼いたします」

次の瞬間、サイさんは右手に持ったポットを高らかに上げる。

そして、その位置からカップに紅茶をつぎはじめた。

(そんなに高い位置から!?)

サイ「……あっ!」

サイさんが小さく声を上げた瞬間、手元が大きくぶれた。

(あっ……!)

熱々の紅茶が、サイさんの手の甲に降り注いでいく…-。

サイ「あっ、あつっ……いっ!」

サイさんの手の甲は、みるみるうちに赤くなる。

○○「早く冷やさないと!」

(サイさん……一体!?)

あらゆる疑問が脳裏に浮かびながらも、私はサイさんの手を引き、洗面所へと急いだのだった…-。

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