零さんが元の世界に戻るため、私は彼に協力することになった・・・・ー。
(いきなり知らない世界にきて心細いだろうし、早く元の世界に帰してあげたいな)
○○「まずは図書室に行ってみませんか? あそこにはかなりの蔵書があるので、零さんの世界についての情報も書かれているかもしれません」
そう、彼に提案すると・・・・ー。
朔間零「うう・・・・すっかり忘れておったが、ここは日が容赦なく差し込んでくるんじゃった。 調べ物もよいが、日の当たらない場所に避難する方が先じゃて」
ぐったりとした様子の零さんに、私は慌てて言葉を続けた。
○○「安心してください。図書室はあまり日が差し込まないので、零さんも安心して休めると思いますよ」
朔間零「それを聞いて安心したわい。嬢ちゃん、恩に着るのう」
零さんの言葉に私は・・・・ー。
○○「困ったときはお互い様ですから」
朔間零「うむ、その通りじゃ。嬢ちゃんも困ったことがあったら、我輩に相談しておくれ」
○○「はい。その時はよろしくお願いしますね」
そう告げると、零さんは嬉しそうに微笑んだ。
(あ、そうだ。日が苦手なら、廊下を歩くのも辛いかもしれない)
廊下にも日が差し込むことを零さんに告げると、
零さんは少し悩んだものの、多少の日差しなら我慢すると言ってくれた・・・・ー。
(多少なら・・・・大丈夫なんだ)
日差しを極力避けながら、廊下を歩く零さんをちらりと見る。
その横顔には、異世界に来た不安も戸惑いも見えなくて・・・・
(不思議な人だな・・・・・)
彼がいったいどこから来たのか、何者であるのか・・・・私も知りたくてたまらなかった・・・・ー。