第1話 興味対象

記録の国・レコルド 星の月…-。

世界中のあらゆる記録を司るこの国の王子であるロイエさんを目覚めさせた私は……

助けたお礼にと、ロイエさん自身にこの神聖な国へと招待されていた。

ロイエ「へぇ……君がトロイメアの姫か。 あの時はじっくり観察することができなかったからな」

執務室へ入って早々、知的に輝く瞳がぐっと私に近づけられる。

(距離が……近い!)

驚いて一歩後ずさると、好奇心に煌めく瞳が私の動きと同時にまた一歩近づいてきた。

ロイエ「瞳の色は深く濃い。顔立ちは柔和で、うん、知的そうだ。 女性的な丸みを帯びながらも、十二分に知的な印象とは……ふむ」

〇〇「あ、あの……」

ロイエ「ああ、申し訳ない。僕は記録の国、レコルドのロイエだ」

〇〇「……はい、よろしくお願いします」

ロイエ「よろしく」

ロイエさんは一歩だけ体を引き、私に右手を差し出した。

動揺しつつも私が手を差し出すと、しっかりと握手をして激しく二度三度振る。

ロイエ「しかし不思議だ。トロイメアの姫は行方不明になったと聞いていた。 君は一体これまでどこに身を隠していた? どうやって見つかったんだい?」

〇〇「あ、あの……」

ロイエ「何故、18年もの長い月日だったんだ。いや、何故18年だったんだ?」

矢継ぎ早に畳みかけられる質問に、どこから、そして何を答えて良いのか戸惑う。

すると、そばに立っていた事務官の男性がコホンと咳払いをした。

??「ロイエ様、トロイメアのことについてあまり詮索するのは……良くないのでは?」

ロイエ「トルゲ。君はいささか探求心に欠ける」

トルゲと呼ばれた事務官の方は、顔を難しそうに歪めている。

ロイエ「わかったよ。 すまなかった。とにかく君を歓迎するよ。よく来てくれた」

ロイエさんは再度私に握手を求め、柔らかな笑みを浮かべた。

好奇心の塊のように輝く瞳は吸い込まれそうに深く澄んでおり、知性溢れる優しげな笑みは、私の心に印象深く刻まれたのだった…-。

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