第1話 照れ屋な王子様

武器の国・アヴァロン 薫の月…―。

指輪から解き放たれた目映い光の中、揺らぐ人影が少しずつ輪郭を縁取っていく。

やがて光が明滅し、姿を現したのは、精悍な顔立ちをした若い男性だった。

??「うっ……ん?」

一瞬まぶしそうに目を細めた後、ハッとした表情になり、辺りを見回す。

??「……! ここは!?」

大きな盾を構える彼の瞳には、強い警戒の色が浮かんでいた。

○○「あの……大丈夫ですか?」

??「え……?」

後ろから声をかけると、弾かれたように振り返る。

??「……っ!」

私と目があった瞬間、彼の頬が真っ赤に染まった。

○○「あの……?」

??「あっ、えっと……その、大丈夫……」

まだ赤い顔のまま、動揺したような声音で返事をする。

??「と、ところで君は?」

○○「私は…-」

これまでの経緯を話すと、彼は驚きながらも深く頷いた。

??「……そっか。君が俺を助けてくれたんだ」

プリトヴェン「俺はプリトヴェン。君に、礼を言わないと…-」

感謝と敬愛の混ざったような目で私を見つめながら、彼がつぶやいたとき……

遠い場所から、獣の咆哮のような声が聞こえてきた。

(何……?)

プリトヴェン「……ここは危ない。危険のないところまで送るよ」

彼の誘導で、私は急いで場所を移動した…-。

……

彼と共に少し歩くと、野花の咲く丘へと辿りついた。

さっきの荒れ野とは違い、ウサギやリスが走り抜け、鳥の鳴き声も聞こえてくる。

プリトヴェン「ここなら大丈夫……助けてくれて、その、ありがとう。 今度改めて、礼をさせて欲しい。だから……」

彼は一度口ごもった後、意を決するように顔を上げた。

プリトヴェン「ま、また会えるかな……!」

大きな声で、しかも少しせっぱ詰まった顔で尋ねられ、驚きながらも頷く。

○○「はい、近いうちにお尋ねします」

私の返事を聞き、彼が嬉しそうに笑顔を浮かべる。

私達の間に、青い草の匂いがする爽やかで優しい風が、通り抜けていった…-。

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