沈んでいく夕陽が、私の頬を照らす…-。
リド「わかったかもしれねえ! ……まだ確証はねえけど」
(……どういうことなんだろう?)
戸惑いながらも、私はリドについて城の外に出てきた。
(あれ? ここって……)
〇〇「リド、ここは…-」
彼に尋ねようとした、その時だった。
リド「……いた」
不意に鋭くなった彼の視線の先を追う。
リド「犯人は……お前だ! ……たぶん!」
リドが人差し指をぴしっと差した、その先に…-。
猫「……なー」
〇〇「えっ」
リドの手を引っ掻いたふくよかな猫がどすんと座っていた。
〇〇「この猫が、犯人……?」
退屈そうに欠伸をする猫を見て、私は目を瞬かせる。
(なんだろう、やっぱり何か違和感が……)
その違和感の正体を掴み切れずにいると、リドが猫に一歩近づいた。
リド「逃がさねえぞ」
猫「なー」
猫はリドを挑発するように、野太い声で鳴く。
リド「……」
猫「……」
少しの間、リドと猫が睨み合い…-。
猫「な~~~~~~~~!!」
猫は大きな鳴き声を上げた後に、猛然と走り出す。
(……逃げた!)
リド「あ、こら待てっ!!」
夕陽に照らされながら、私達は猫の後を必死に追いかけた…-。