ハルが万病に効く霊薬を求めて森に向かって数日…―。
窓の外ではもう何度も見た夕日が、アヴァロンの街を赤く染めていた。
(ハル……今日も帰ってこなかった)
病に伏せた体は日に日に悪くなるばかり。
私は祈るような気持ちで、こうして毎日ハルの帰りを待っている。
(私のために、幻のモンスターを倒しにいくなんて……)
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医者「ボルケウスと言えば、アヴァロン城のモンスター討伐部隊ですら手を焼く怪物ですぞ!?」
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あの時のお医者様の言葉からも、ハルがどれだけ危険な旅に出たかは明らかだった。
(もしかしてハルに何かあったんじゃ…―)
私は居ても立ってもいられなくて、重い身体をベッドから起こして、部屋の入口へと向かった、その時。
??「シュガー!持ってきたぞ!!」
○○「!?」
聞き覚えのある明るい声が、扉の向こうから聞こえた…―。