フォーマを楽しませるための、とある案が浮かんだ私は……
城に戻ってからしばらく経った頃、この城の従者さんに連れられ、調理場を訪れていた。
(従者さんに相談してみてよかった)
明日のお茶会で、フォーマにおいしいお茶菓子をプレゼントしようと思いついた私は、彼と別れてから、何をあげたら一番喜んでもらえるだろうと頭を悩ませていた。
すると、廊下で偶然会った従者さんに、それならいい物があると言われ……
従者「こちらになります」
従者さんが、お菓子の入った籠を差し出す。
それは、天狐の国の人に長く愛されている有名なお菓子とのことだった。
○○「ありがとうございます」
(フォーマ、喜んでくれるといいな)
従者さんにお礼を言った後、私は籠を持ってその場を後にした…―。
…
……
障子から差し込む橙色の光が、柔らかく室内を照らしている。
フォーマの滞在する部屋へやって来た私は、早速籠に入ったお菓子を差し出した。
フォーマ「これを、僕に?」
○○「うん。天狐の国の人が大好きなお菓子なんだって。中に木の実が入っているらしいよ。 明日のお茶会にって思ったんだけど、よかったら一つ食べてみない?」
フォーマ「ありがとう。いただくよ」
彼は籠からお菓子を取ると、包みを開けた。
そして、そのまま口へと運ぶと……
フォーマ「……!? うっ……」
○○「フォーマ!?」
彼は突然、苦しそうに顔を歪めたのだった…―。
<<太陽SS||月7話>>