第4話 風に揺れる花を見ながら

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アケディア「面倒くさいからやめなよ。それに、植え替えたからって蕾が開くとは限らないし」

○○「でも・・・・・・。 私・・・・・・行ってくるね」

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それから、数日が経ち・・・-。

(よかった、元気に咲いている)

植え替えた蕾は綺麗に花開き、新たな蕾も芽吹いていた。

(もっともっと元気になってね)

鮮やかな黄色の花に、願いを込めながら水をやっていると・・・-。

アケディア「○○ちゃん、何してるの?」

アケディアくんが、部屋の窓から顔だけを覗かせていた。

○○「アケディアくん、植え替えた花が元気に咲いたよ」

アケディア「えっ、本当に?」

○○「大きな花で、綺麗だよ」

アケディア「へえ・・・・・・」

アケディアくんは、窓から身を乗り出して花を見ようとしている。

(アケディアくん、花が見たいのかな?)

○○「アケディアくん、ここに見に来ない?」

アケディア「・・・・・・」

アケディアくんは黙ってしまい、部屋の中に顔を引っ込めてしまった。

(外に出るのは、やっぱり面倒くさいのかな?)

(でも、アケディアくんにも花を見てもらいたかったな・・・・・・)

残念に思いながらも、花を眺めていると・・・-。

アケディア「・・・・・・うーん、やっぱりだるいな」

アケディアくんが、けだるそうな足取りで花壇へとやってきた。

○○「アケディアくん!」

つい嬉しくなり、私は大きな声を出してしまった。

アケディア「○○ちゃん、ぼくが来てそんなに嬉しいの?」

アケディアくんはあくびを一つすると、涙の溢れた目をこすった。

(やっぱり少しだるそう・・・・・・)

アケディア「あっ、この花? 本当だ、綺麗」

アケディアくんは花壇に植え替えた花を興味深げに見ている。

○○「花も綺麗だけど、ここも。もう一つ蕾ができているの・・・・・・」

夢中になって話していると、アケディアくんがまじまじと私の顔を見つめる。

真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうになり、私は束の間域をするのも忘れてしまった。

アケディア「○○ちゃんって、表情がくるくる変わる・・・・・・面白い」

○○「お、面白い?」

アケディア「悲しんだり、喜んだり、怒ったり・・・・・・すごいなぁ。 ぼくはそうやって感じることすら面倒に思っちゃうから」

○○「えっ・・・・・・!?」

驚いて目を見開くと、アケディアくんが声を出して笑った。

アケディア「ははは、そんなに驚いちゃう?」

しばらく楽しそうに笑った後・・・・・・

アケディア「・・・・・・あれっ? ぼく、いま声を出して笑った?」

アケディアくんは、驚いたように自分の口に手を当てた。

アケディア「・・・・・・声を出して笑ったのなんて初めてかも」

○○「・・・・・・初めて!?」

アケディア「だって、頬は揺れるしお腹にも力が入るし・・・・・・笑うって、一番体力使うことだと思うんだ。 面倒でも気持ちいいことあるんだね・・・・・・」

アケディアくんはそう言うと、もう一度声を出して笑った。

(嬉しい・・・・・・)

アケディアくんの笑い声を聞いていると、私まで嬉しくなってしまう。

けれど・・・・・・

アケディア「・・・・・・寒っ」

冷たい木枯らしが吹きつけ、アケディアくんはすぐに笑うのをやめてしまった。

(陽が傾き始めた・・・・・・)

薄着のまま部屋から出てきたアケディアくんは、寒そうに肩をすぼめている。

○○「部屋に戻ろう」

急いで部屋へ戻ろうとすると・・・-。

○○「・・・・・・!」

アケディアくんは私を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。

○○「ア、アケディアくん?」

アケディア「うん、これであったかい」

頬を私の顔にすり寄せ、手のひらで背中をさすってくれる。

(ドキドキする・・・・・・それに)

(なんだか、くすぐったい・・・・・・)

心地よさそうに私で暖を取る彼を見ていると、心の奥までも、温かくなっていくような気がした・・・-。

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