揺らめく提灯の灯りが、情緒豊かな湯元の街を照らしている…-。
(アルタイルさんと一緒に温泉って……)
頬に、一気に熱が集まっていく。
(私もアルタイルさんとゆっくりしたいけど……)
言葉を紡げずにいる私を、アルタイルさんは優しい眼差しで見下ろした。
アルタイル「すまない。困らせるつもりはなかったんだ……」
〇〇「いえ、そんなこと…-」
アルタイル「お前とゆっくり過ごしたい気持ちは嘘じゃないが、少し羽目を外しすぎた。 そんな顔するな。さっき言ったことは忘れてくれ」
微笑を浮かべて話すアルタイルさんは、どこか寂しそうで……
気づけば、彼の言葉を遮るように声を上げていた。
〇〇「私も同じ気持ちです」
アルタイル「え……」
〇〇「私も……アルタイルさんと思い出を作りたいです」
(次は、いつ会えるかわからない。一緒にゆっくり過ごせるかどうかもわからないから……)
(せっかくなら、この場所でしかできないことを一緒にしたい)
〇〇「会えない時も今日のことを思い出して、楽しい気持ちになれるように」
すると……寂しげだった彼の表情が一変して、柔らかな笑みが顔いっぱいに広がっていく。
アルタイル「ありがとう、〇〇」
心から嬉しそうに笑う彼を見て、鼓動が速まっていくのを感じていた…-。