トルマリと手を繋いでパーティホールへと向かうと、ステージ上ではティアラが輝いていた。
トルマリ「やっぱりかわいいなぁ~」
そう言ってティアラを見つめるトルマリの瞳も、ティアラに負けないぐらい輝いている。
(トルマリがティアラをもらえるといいな……)
そう思いながらステージを見つめていると、ステージ脇のカーテンから主催者と思わしき男性が現れた。
主催者「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。 さて、皆様が最も気にされているであろうティアラ贈呈の件ですが……。 僭越ながらパーティの間、ホールの様子を別室にて拝見させていただきました。 そして、熟考の結果……。 ティアラは〇〇様にお贈りしたいと思います」
(えっ!? わ、私……?)
思いもよらない展開に、私はその場で呆然と立ち尽くしてしまう。
トルマリ「ちぇー、残念。ぼくじゃないんだ。 ふふ、だけど……〇〇、おめでとう!」
トルマリは私の手を取って喜んでくれる。
けれどその笑顔には、隠しきれない悲しみがにじみ出ていた。
(トルマリ、ティアラが欲しかったよね……)
そんな複雑な思いとは裏腹に、贈呈式は進んでゆき……
私は心のもやが晴れないまま、ステージへと向かったのだった…-。