月6話 王子と死神

不自然に揺れる鏡面の世界に、森の中を歩く男性の姿が映し出された。

〇〇「これは……?」

高貴な身分だとわかる服装の男性は、大きなリンゴの木の下で、何かを探すように辺りを見渡している。

プリトヴェン「もしかして……彼が向かっているのは、この小屋?」

〇〇「でも、彼はいったい……?」

鏡面に描き出された映像を、私達は一緒になって覗き込んだ。

プリトヴェン「推測だけど……彼はこの物語の『王子』で……。 君が、主人公の女性なんじゃないかな」

〇〇「えっ」

(でもそれじゃあ、プリトヴェンさんは……?)

そんな考えが頭をよぎった時、鏡面に触れていたプリトヴェンさんの手が、音もなく鏡の中へと沈む。

プリトヴェン「えっ……!?」

〇〇「!?」

とっさに彼の服を掴んだ私は、彼と一緒に鏡の中へと『落ちて』いった…-。

<<太陽SS||月7話>>


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