パーティを楽しもうという私の提案に、モルタさんの瞳は大きく揺らぐ…-。
モルタ「純粋に楽しむ、ですか……」
私は、モルタさんの傍にそっと寄り言葉を継ぐ。
〇〇「いろいろ、モルタさんの中で抱えていることもあると思います。 パーティが終わったら……私も一緒に抱えさせてもらえませんか?」
モルタ「……一緒に?」
〇〇「はい。二人で一緒に悩んで、考えて……そんなふうにできたらって思うんです」
モルタ「……」
モルタさんの手が、そっと私の頬に触れる。
〇〇「……!」
モルタ「あなたは、どうして…-」
存在を確かめるように頬をなぞられ、その感覚に息が詰まりそうになる。
モルタ「……」
そっと、その指が首筋へと移された時……
〇〇「……っ」
モルタさんの指が、私から離れていく。
モルタ「……すみません」
速くなった鼓動を持て余しながら、私は恐る恐る彼に声をかける。
〇〇「あの……」
モルタ「……今夜」
ゆらりと、モルタさんが顔を上げる。
仮面の奥の瞳が、怪しく揺れた気がした。
モルタ「……今夜トリックパーティがあるので、ご一緒してくれませんか?」
〇〇「トリックパーティ?」
(確か、肝試しのようなものだよね……?)
モルタ「どうか……私と一緒に」
わずかに身を強張らせながらも、モルタさんが誘ってくれたことが嬉しくて……
私は深く、頷きを返した…-。